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評価:
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2007 アメリカ 洋画 エロス
作品のイメージ:萌え、ドキドキ・ハラハラ、おしゃれ
出演:ヒュー・ジャックマン、ユアン・マクレガー、ミシェル・ウィリアムズ、リサ・ゲイ・ハミルトン
辛口のレビューにならざるを得ないサスペンス・ドラマ。舞台はマンハッタン。クライアントの事務所で独り黙々と仕事をする会計士のジョナサン(ユアン・マクレガー)は、ある日弁護士のワイアット(ヒュー・ジャックマン)に出会い、お互いの携帯電話を取り違えて持って帰ってしまう。そのことから、ジョナサンは一夜限りの情事を楽しむエグゼクティブ限定の会員制秘密クラブの存在を知り、甘美でスリリングな夜の世界にはまってゆくのだった。そして、以前に一度地下鉄の構内で見かけたことのある、名前が“S”で始まる美しい女性とそのクラブで出会い、心を奪われていく・・。
原題がDeception(詐欺とか偽装とか・・騙されること)だと知った段階で、おおよそのネタの見当がついてしまった。意味ありげな邦題、ミステリアスな予告編とちょっと魅惑的なこのジャケットに惹かれてレンタルしたのだが、それこそ「騙された」という感じ。
既にみなさまがご指摘の通り、主なツッコミどころとしては:
― ジョナサンを騙そうとするのであれば、そもそもそんな大がかりな仕掛けを張らなくてもいいのでは?
― わざわざPG-12指定にするほどのエロティック・サスペンスか?
― ストーリーに、なんら意外性がないのでは?(クラシカルなサスペンスの王道なのかもしれない。だけど、「ヒッチコック的」と称されている方もいるが、そこまでのレベルでもない。)
― お願いだから、大金の入ったカバンを公園に置いていかないでくれる?(愛も大切だけど、好きな人と一緒に生活するためのお金も大切だと思うよ、ジョナサン。いきなり純愛路線に持っていかないでほしいのよね。)
などなど(細かい点を挙げるとキリがないので、これくらいにしておきます。)
真面目な会計士を演じるユアンと今回は悪人を演じるヒュー目当てならば観て損はないけど、特にどちらのファンでもないという方にはあまりおススメできない作品。しかし、脇を固めているのは、ミシェル・ウィリアムズ、シャーロット・ランプリング、マギーQ、ナターシャ・ヘンストリッジやリサ・ゲイ・ハミルトンなど錚々たる顔ぶれの美しい女優さんたち。つまり、陳腐なストーリー展開、深みのない脚本や希薄なオチで、すばらしいキャスティングをぶち壊してしまっているということになる。なんと勿体ない・・!
キャスティング以外にこの作品の良い点を必死で探した結果、マンハッタンの美しい夜景、豪華なホテルやマドリッドの風景の映像が楽しめるということと、ユアンとヒューの演技がまずまずであることくらい。最後に超個人的な意見を言わせてもらえば、ユアンの真面目な会計士役に好感は持てたんだけど(いつもの七三分けで・・そう言えば昨日観た「天使と悪魔」でもまたまたこのヘアー・スタイルでした)、彼のダサダサな白の下着姿は観たくなかったなぁ。★2.3