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2012.05.10 Thursday
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2009.01.30 Friday
あいうえお順インデックス
あいうえお順インデックス
<あ行>
アウェイ・フロム・ハー 君を想う あの日の指輪を待つきみへ インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国イントゥ・ザ・ワイルド
<か行>
悲しみが乾くまで神様の女房
下流の宴
彼が二度愛したS
宮廷画家ゴヤは見た
キューブ■レッドグーグーだって猫である
クライマーズ・ハイ
この自由な世界で
コッポラの胡蝶の夢
コーマ
震度0
親密すぎるうちあけ話
Sweet Rain 死神の精度
スヌーピーの選挙活動
<た行>
ダークロード -闇夜の逃亡者-ダニエラという女
007 慰めの報酬
<な行>
ナイト&デイ長い長い殺人
夏目漱石のこころ
何がジェーンに起こったか?
楢山節考(今村昌平監督) NOISE
<ま行>
<や行>
<ら行>
ライフ・オブ・デビッド・ゲイル落下の王国ランジェ公爵夫人 類人猿ボノボの棲む森で
ルパンの消息
レールズ&タイズ
ワールド・オブ・ライズ
2009.01.26 Monday
ファーストフード・ネイション
2006 アメリカ, イギリス 洋画 ドラマ
作品のイメージ:ためになる
出演:グレッグ・キニア、イーサン・ホーク、アヴリル・ラヴィーン、パトリシア・アークエット
「スーパーサイズ・ミー」と「ダーウィンの悪夢」を足して二で割って、地味にしたような作品。食の実態に迫っているところは前者と共通点があり、貧困の連鎖を描いているところは後者に似ている。ドキュメンタリー・タッチの社会派ドラマにしてはわかりやすいし、真面目に制作しているという熱意が観る側に伝わってくる。
但し、それほど深いドラマではない。まず、食の問題については、精肉工場のラインの流れが速すぎて解体作業が追い付かず、作業が杜撰になり食肉が大腸菌に汚染されてしまう、といった内容に尽きる。それ以上のものではない。食の問題を斬るのであれば、せっかくショッキングな屠殺シーンまで入れているのだから、そこから深く掘り下げて欲しかった。それに、ファストフード店でのアルバイトを止めることで自分自身を納得させたり、「フェンスを壊して牛を解放しよう」という学生のアイデアは、ちょっと稚拙な感じが。
貧困の連鎖については、「貧困→メキシコからアメリカへの密入国→セクハラも含めた劣悪な労働環境→利益至上主義/格差社会→貧困」というサイクルが端的に示されている。メキシコでは一日3ドルの稼ぎが、アメリカに渡れば時給10ドルに跳ね上がるのなら、自分が生きていくため家族のために密入国する人が後を絶たないのも、わかる気がする。いっそのこと、食の安全の問題と分散させた展開ではなく、貧困の連鎖の問題の方に焦点を当てたかたちで仕上げてもよかったのではないだろうか(そうすると、タイトルまで変える必要がありますね)。でも、二つの大きな問題を同時に扱うと、どうしても広く浅くなってしまうので。
それにしても、作品のつくり自体は予算を抑えた感じなのに、とにかくキャストが豪華。イーサン・ホーク、ブルース・ウィリス、グレッグ・キニア、パトリシア・アークエットにアヴリル・ラヴィーン・・etc.(テーマがテーマだけに、みんなギャラに関係なくボランティア感覚で出演しているのでしょうか)。 ★2.7
2009.01.19 Monday
しあわせな孤独
作品のイメージ:切ない
出演:ソニア・リクター、マッツ・ミケルセン、ニコライ・リー・カース、パプリカ・スティーン
スサンネ・ビア監督の初のヒット作(「アカデミー賞外国語映画賞デンマーク代表作品」)であることが納得できる作品。予期せぬ不幸な事故によって、4人の男女の人生が狂っていく・・そんなプロットが「ある愛の風景」に似ているというか、本作が「ある愛の風景」の原型になっているというか。結婚を目前にして交通事故に遭い全身麻痺になってしまう男性(ヨアヒム)、全身麻痺になった婚約者に愛を拒否されてしまう女性(セシリ)、一瞬の不注意で交通事故の加害者になってしまう女性(マリー)、そして家庭がありながらセシリに恋をしてしまう男性(ニルス)にスポットライトが当てられている。おまけに、マリーは夫であるニルスがセシリに心を奪われていることを知ってしまうという悲劇。
現実が受け入れることができずに周りに八つ当たりしてしまうヨアヒム。セシリは、そんなヨアヒムをどう愛してよいのか戸惑う。そして、その戸惑いがいつしか別の方向へと走り出す。セシリを愛してしまうニルスは、渡辺淳一作の「失楽園」の主人公のような役柄。この3人の心境は、かなり繊細に描写されている。しかし、突如として加害者になり夫が家庭から離れていくという事態に陥るマリーの心境の描写だけが、やや物足りない感じ。
映像から人物の心境が見てとれるところは、さすがスサンネ・ビア。技巧を凝らさずに素朴な映像表現にこだわった「ドグマ方式」により、登場人物の心理を鮮烈なかたちで浮き彫りにしている。「ドグマ方式」とは、デンマークにおいてラース・フォン・トリア監督が立ち上げた映画の撮り方で、セットは使わずにすべてロケーション撮影、使用するのはすべて手持ちカメラのみ、人工的な照明は使わないなどの撮影方式のことである。本作では特に、この飾り気のないシンプルな手法が奏功していると言えるのでは。
原題の”Open Hearts”は、”open one’s heart”(心境を物語る)から来ているのか。邦題については、センスは悪くないと思うが、自分が邦題をつけるとしたら「幸福と孤独」かな。北欧の作品なだけに、「男性が女性に家具を買ってあげる」ということが特別な意味があるのだろうか・・なんて考えてしまった。とにかく、家具のデザインがステキ。エンディングの曲は、独りになってしまったセシリの思いを謳っているよう。あと、セシリ役のソニア・リクターが「4ヶ月、3週と2日」のヒロイン役(アナマリア・マリンカ)にそっくりなので、最初は同じ人かと思った(北欧の人と東欧の人って、顔が似ているんですね)。★3.2
2009.01.17 Saturday
レッドクリフ -Part I-
2008 アメリカ, 中国, 台湾, 韓国 洋画 アクション 文芸・史劇
作品のイメージ:カッコいい、ドキドキ・ハラハラ、スゴイ
出演:トニー・レオン、金城武、チャン・フォンイー、チャン・チェン
(劇場で観ました。)製作費100億円を投じた、壮大なスケールの歴史アクション・スペクタクル。三国志「赤壁の戦い」のパートI。パートIIもあるので、本作で話は完結しない。作品のイメージは、一言で言えばいかにもジョン・ウー的な作品。アクションの部分は、「M:I-2」の後半を彷彿とさせるバトルのスロー・モーションが多用。お決まりの白い鳩も登場(余程好きなんでしょうね)。
ストーリーは、どちらかというと周瑜(トニー・レオン)と孔明(金城武)にスポットが当てられている。この描き方では、曹操ファンの方の中には不満を感じる方もおられるかもしれない。張飛は、思いっきり「張飛ぶり」を発揮(隣に座っていた人が張飛ファンだったらしく、笑いながらやたら盛り上がっていました)。趙雲役の人とトニー・レオンの顔が似ているので、武装するとどっちがどっちか見分けがつかなかった。孫権の妹である尚香はサバサバ・テキパキした聡明な女性で、とても魅力を感じた。周瑜の妻である小喬は「絶世の美女」と言われていたけど、フツーにきれいな感じ。中村獅童は、勇敢な武人(甘興)役を好演。
そもそも、パートIとパートIIに分ける必要はどこにあるのだろうか。パートIを観てしまったらパートIIも観るしかないけど、これでパートIIが何かの理由で公開にならなかったら大笑い。ストーリーはシンプルだから、しばらく間が空いてもすぐ入っていけると思うけど、誰がどの役だったか忘れてしまいそう(ちなみに、パートIIは2009年4月に劇場公開予定だそうです)。★3.3
2009.01.07 Wednesday
美しすぎる母
2007 スペイン,フランス,アメリカ 洋画 ミステリー・サスペンス ドラマ
作品のイメージ:切ない、おしゃれ
出演:ジュリアン・ムーア、スティーヴン・ディレイン、エディ・レッドメイン、エレナ・アナヤ
とにかくヒロインに嫌悪感を抱いた作品。富豪と結婚したバーバラ(ジュリアン・ムーア)は、一人息子のアントニーを溺愛する。そして、挙句の果てに母と息子の関係は・・といった感じのストーリー。
バーバラは、元女優ということもありプライドばかり高い、憚りもなく息子の自慢はする、感情は剥き出しにする、すぐ嫉妬する、浅はかな知識をひけらかすのだがどこか間違えている・・とまぁ、私の大嫌いなタイプの女性。「私も昔は働いたわ。でも、そこからうまく抜け出したの。男を見つけたのよ。つまりおカネってこと」という下品なことを臆面もなく息子に話して聞かせたりする(信じられない・・)。口調も、「私ってきれいでしょ」っぽい感じのしゃべり方。フランス語にコンプレックスを感じているのか、必要のないことまでフランス語で言ったりするのだが、それがまた間違っている(と、毒舌が止まらないわりには、メイキングのインタヴューまで観てしまいましたが、ジュリアン・ムーア自身は知的な美しさを感じさせる女優さんですね)。
内容的には、良い点もある。まず、プロットが複雑すぎるという理由で、制作のための資金集めがアメリカだけでは困難だったという背景があるらしい。なので、低予算で制作されたようだが、それにしてはロケ地であるスペインのすばらしい景色が味わえる。映像も華やか。また、母と息子の関係について、考えさせられた。母親の存在がアントニーにはそれほどプレッシャーになっているようには見えなかったのだが、やはり愛を「押しつけられる」と、それが鬱屈して心の中に溜まっていくのかなぁ・・なんて思ってしまった。と同時に、バーバラはアントニーを愛していながら、実はアントニーに頼っているように感じられた。つまり、アントニーがバーバラを精神的に支えていて、それがアントニーの心の負担となっていたのかな、とか。その心の重圧が、圧倒的な破壊力となり・・。
上流社会のギリシャ悲劇を観ているようなというべきか、実話をもとにしているだけに週刊誌の記事を映画化したようなというべきか。作品自体はそう酷いレベルではないと思うが、やはりヒロインに対するイラツキでストレスを感じたので、★2.0。
2009.01.06 Tuesday
ゴーン・ベイビー・ゴーン
2007 アメリカ 洋画 ミステリー・サスペンス アクション
作品のイメージ:切ない、ドキドキ・ハラハラ
出演:ケイシー・アフレック、ミシェル・モナハン、モーガン・フリーマン、エド・ハリス
「何が正義なのか」を問われているような作品。パトリック(ケイシー・アフレック)と恋人のアンジー(ミシェル・モナハン)はボストンで私立探偵業を営んでいた。そして、ある日少女誘拐事件の依頼を受けることに・・。
人は正しいと思って行動したことが、裏目に出ることもある。自分が正しいと信じることが、必ずしも人に受け入れられるとは限らない。自分の価値観では量れないものもあるし、他人の行動を自分の価値観だけで判断できない場合もある。では、人は何を判断基準に据えて生きればいいのか?法律・・?いや、人間は自分の信じたことに従って生きるしかないのか・・将来後悔しないように。
宗教的な側面を感じさせる一瞬のカットも盛り込まれていると同時に、ボストンの低所得者層の人が多く住む地区の情景をリアルに撮っている。また、母親の育児放棄という社会問題にも一石を投じていて、「子供の未来をどう守るべきか」についても考えさせられる多面的な奥深さがある。答えの出ない問題を突き付けられたようで、観た後はやるせない気持ちでいっぱいに。それにしても、複雑な味わいがあり、思考力を大いに刺激された。
本作で初めてメガホンをとったベン・アフレックと彼の弟である主演のケイシー・アフレック・・ケイシーの演技は監督のベンも称賛している。映画を撮る上で兄弟であることは忘れて、お互い割り切って仕事ができたのだとか。また、ボストンに長く住んでいたケイシーは、ボストン訛りのことばも話せるし、地元にも愛着があるらしい。ミシェル・モナハンは芯の強いタフな女性を上手く演じている。警部役のモーガン・フリーマンと刑事役のエド・ハリスの演技は、ベテランの余裕といった感じ。終盤車に乗り込んだときのモーガン・フリーマンの凍りついたような表情が忘れられない。
日本では劇場未公開だったのが不思議。「愛しき者はすべて去りゆく」の方をDVDの邦題にして欲しかった(原作は、デニス・レヘイン著「私立探偵パトリック&アンジー」シリーズの小説なんですね)。★4.1
2009.01.05 Monday
劇場版 ネコナデ
2008 日本 邦画 ドラマ
作品のイメージ:笑える、ほのぼの、かわいい、切ない
出演:大杉漣、青山倫子、黒川芽以、入山法子
つらすぎて胃が痛くなりそうになった作品。社内の5ヵ年計画である人員削減プランと中途採用の新人のために2週間研修を敢行する人事部長の鬼塚(大杉漣)。「責任を持って世話ができないのなら猫なんか飼うな」と家族にも厳しい。そんな鬼塚が仕事で疲れ果てて公園のベンチで休んでいるときに、捨てられた子猫を見つける。
組織で働くことはホントにつらく厳しい。コーヒーを頭からかけられたり、同期入社の仲間にリストラの通知をしたり・・。自分の意に反して「嫌われ者」であり続けることの悲痛さとトラ(スコティシュフォールドの子猫)の可愛さが絶妙のコントラストを成している。厳格で仕事一筋であったのが、トラとの出会いで自分の生き方を見つめ直す・・そんな鬼塚がトラと同じくらい愛苦しい。トラを不器用に扱う動作が、いちいち愛嬌がある。
新人が街頭で社歌を歌うシーンは、自分が歌わされているような気になって恥ずかしくて画面が正視できなかった。もたいまさこ演ずる「猫オークションの女」と、彼女が連れてきたヒラマヤンが脇役として良い味を出している。(ヒラマヤンが巨大です)。鬼塚の部下役の青山倫子が美しく快活な感じ。エンディングに流れる主題歌(歌:つじあやの)が、鬼塚とトラのこれからに温かく優しい光を注ぎ込んでいるよう。
ボーナス・トラックとして国内TVドラマ版のvol.1が収録されていたので、観てみた。劇場版と比べると、鬼塚の気持ちがナレーションで細かく説明されている。小木茂光の鬼塚は、大杉漣の鬼塚より優しいサラリーマンという印象。でも、大杉漣の厳しい顔と渋さを感じさせる演技の方が、この「ネコナデ」には合っているような気がした。★3.4
2009.01.04 Sunday
奇跡のシンフォニー
2007 アメリカ 洋画 ドラマ ファンタジー
作品のイメージ:ほのぼの、癒される、かわいい、スゴイ
出演:フレディ・ハイモア、ジョナサン・リース=マイヤーズ、ケリー・ラッセル、ロビン・ウィリアムズ
音楽とマンハッタンの風景が楽しめるファンタジー。いろんなジャンルの音楽が融合された一篇。両親を探すために施設を抜け出した少年(フレディ・ハイモア)が、マンハッタンに辿り着く。そこで、さまざまな人と出会いながら、自らの音楽の才能を開花させ、そして最後には・・。あり得ないと言ってしまえばそれまでだが、素直に観ると心が温まる。
「音楽は人と人を結びつける」や「耳を澄ませばいろんな音が音楽に聴こえる」という言葉も印象に残る。本作を通して、音楽ってすばらしいなぁ(月並みな表現ですが)・・と再認識。個人的には、女の子が教会で歌うゴスペルと、お互い親子と知らぬ父と子が公園で演奏するギター・デュオが特に好き。ラストは誰もが予想できるベタな感じもするが、それすらも「映画の良さ」として肯定できてしまうほど。後味もスッキリしているし、何より観る者を優しい気持にさせてくれる。一つだけ難点を挙げるとすれば、ロビン・ウィリアムズの役がもう少し良い役だったらよかったのに・・という点。でも、ロビン・ウィリアムズ自身の気立ての良さが目の表情からにじみ出ていた。
本作は、アメリカでは期待していたほど興行収入は稼げなかったようだが、日本では結構人気が高いみたい(日本人受けする内容ですね)。サントラは輸入盤に加えて国内盤も出ているよう。サントラの購入も考えたが、やはりこの音楽は映像とセットで楽しむものなのかなぁ・・という気がする。この音楽が聴きたくなったら、またDVDを観るものよいかなと。あと、(どーでもよいことですが)チャプターを選択するポインターが、ト音記号になっているのがカワイイ。★3.2
2009.01.01 Thursday
子猫物語
1986 日本 邦画 ファミリー 動物
作品のイメージ:ほのぼの、癒される、かわいい
出演:小泉今日子、露木茂
心が洗われるような作品。北海道の大自然の中でのチャトラン(茶トラ色の子猫)の冒険物語。ナレーション(露木茂)や詩の朗読(小泉今日子)も入っていて、ドキュメンタリー・タッチ。チャトランの親友であるプー助(バグ犬)がチャトランを助けたり、チャトランが小鹿と体を暖め合ったり、子豚とじゃれ合ったり・・いろんな動物との出会いや別れがあって、まさにムツゴロウ・ワールド!ムツゴロウさんが15年間構想を練り続け、撮影にも5年の年月がかけられたそう。北海道の四季の移り変わりが、坂本龍一プロデュースの音楽と相まって、彩り豊かな広がりを創り出している。
チャトランに彼女(白い猫)ができた時には「プー助の立場やいかに」と思ったが・・微笑ましいラストでよかった、よかった。ほのぼのとした動物たちの映像ばかりではなく、自然界の厳しさが映し出されるシーンもある。「命の尊さ」について教条的に語られるのではなく、直接五感に訴えかけてくるような感じ。カメラも自然に動物たちを追っていて、生命感に満ち溢れた様子が映像から伝わってくる。登場している動物たちもムツゴロウ動物王国の動物たちなのかな・・ホントにカワイイ(猫好きの方にはもちろん、動物好きの方にもおススメします。)★3.7
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