あず沙の映画レビュー・ノート

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譜めくりの女

2006 フランス 洋画 ドラマ ミステリー・サスペンス
作品のイメージ:怖い、ためになる
出演:カトリーヌ・フロ、デボラ・フランソワ、アントワーヌ・マルティンシウ、パスカル・グレゴニー

ハリウッド映画にはあまりない陰湿な復讐劇。精肉屋の娘メラニー(デボラ・フランソワ)は少女の頃にピアニストを目指してコンセルヴァトワール(パリ国立高等音楽・舞踊学校)の実技試験の入試を受けるも、審査員の一人であるアリアーヌ(カトリーヌ・フロ)の無神経な態度に動揺して演奏がボロボロになり不合格となる。それで、メラニーは自分の夢を封印することに。そして、アリアーヌに近づき・・。

うーん、自分に実力がなくて合格できなかったのだから、しょうがないと思うのだが。それで、審査員を逆恨みするのもなぁ。集中力をつけて土壇場に強くなることも、ピアニストとして必要な技能の一つ。それに、あんなに小さい頃に失敗しても、まだまだ修復が効くのに。人生長い目で見れば、良い経験になるかもしれない。それなのに、自分の夢を簡単に諦めて、大切な若い頃の時間を復讐に費やすなんてなんと勿体ない。

というわけで、メラニーにはあまり感情移入ができなかった。逆に、アリアーヌの方に力点を置いて観てしまった。単にページを捲るだけではなく、ピアニストの邪魔にならないように絶妙なタイミングを捉えないといけない「譜めくり」。アリアーヌが信頼できる「譜めくり」に拘る気持ちがよくわかる。それに、助手のようでもあり、演奏者にとっては傍にいてくれるだけで安心する存在なのかな。

審査員と志願者、そして、ピアニストと「譜めくり」の関係・・世の中にそういう関係って多いと思う。会社であれば、上司と部下もそれの一つ。お互い信頼関係を築くことが大事なのに、無神経な言動で相手を傷つけていていることもあるかもしれない。それで、復讐されているのに、そのことにすら気がつかないでいるなんて怖すぎ。

作品全体の印象としては、淡々としているがゾっとする感じ。背景に流れる音楽は、主に静かで水の流れを思わせるようなピアノ曲。それが、メラニーの無表情さと人をじっと見据えるような視線と相まって不気味さを相乗的に膨らませている。試験に向けて練習している他の子のピアノの蓋を閉じたり、セクハラ行為に及ぶチェロ奏者の足にチェロの先端を突き刺したり・・メラニーの執念深さを表す伏線もちゃんと張ってある。冒頭に、精肉する過程で思いっきり肉をたたき切る映像が一瞬出てくるのだが、それも何か意味があるのかなぁ・・ゾゾっ!

どんなところで人の恨みを買っているかわからないので、気をつけなきゃ・・ということと、復讐に時間と労力をかけるのは無駄じゃないかなぁ・・ということを再認識させられたということで、「怖く」もあり「ためになる」作品でもあった。★3.2
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コメント
from: sakurai   2009/01/31 8:16 PM
いろいろとTBいただきありがとうございました。
迷宮映画館のsakuraiと申します。
どうぞよろしく。
おっしゃる通り、メラニーはもったいない人生を送ったような気もしますね。
でも、どうしても復讐を遂げないと、自分を納得させられなかったのでしょうね。思いこみの怖さが、うまく描かれてました。
from: あず沙   2009/01/31 8:28 PM
sakuraiさん、こんにちは。いきなりのTBで失礼だったら、ゴメンナサイ。コメント、ありがとうございます。ええ、確かにメラニーは復讐を遂げないと、人生の次のステップに進めなかったのかもしれませんね。自分の目的を達成するために淡々と実行に移していく様子がよく見てとれました。これからも、よろしくお願いします☆
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