あず沙の映画レビュー・ノート

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J・エドガー
評価:
コメント:2011 アメリカ 洋画 ドラマ 伝記 出演:レオナルド・ディカプリオ、ナオミ・ワッツ、アーミー・ハマー、ジョシュ・ルーカス

1924年にFBI初代長官に任命されたジョン・エドガー・フーヴァーの半生記を、クリント・イーストウッドが監督した作品です。これだけ聞くと、重厚な伝記ドラマかと思いますよね。わたしも、そう思ってました。しかし、エドガーという人物についての知識も無しにいきなり映画を観てしまったわたしは、中盤くらいで思わずのけぞりました。わたしが知らなかっただけでwikiにも書いてあるのでネタバレでもなんでもないんですが、実は同性愛者と言われている彼の切ないお話だったのです。

 

情報は力であるということに早くから気づき、共産主義者や社会運動家などをリストアップ、さらに大統領を始めとした要人達のプライバシーを盗聴して弱みを握り、大統領ですら恐れる権力を握ったエドガー(レオナルド・ディカプリオ)。そんなエドガーには、意外な面がありました。それは、人をなかなか信用することができないということ。母親をはじめとして自分を愛してくれる人間…エドガーの方からプロポーズをしたけど結婚には興味がないので仕事であなたを支えると言ってくれた秘書のヘレン(ナオミ・ワッツ)、そしてエドガーの右腕のクライド(アーミー・ハマー)だけを絶対的に信頼していました。

 

で、クライドのエドガーに対する気持ちが中盤わかるわけですが、エドガーはそれを100%拒絶することはできなかった…それは、自分の信頼する人間が自分から離れていく不安と恐怖心からだったと思います(監督は、この作品において、彼自らが同性愛者という描き方はせず、クライドが自分から離れていくのを怖れたたため受け入れたという、そういう風にとれるような演出をしています)。50年近くもFBI長官であり続けた彼も、たくさん仲間がいたわけではなく孤独だったというわけです。

 

そして、老いとともに体力もなくなり健康を害し、クライドが「そろそろ引退をした方がよいのでは」と忠告するのですが、エドガーは自分がいなくなれば自分がつくりあげた組織がどうなってしまうのかわからないという思いから、なかなか勇退することはできなかった…これも、すごくわかります。彼は自分がつくったFBIという組織を自分の子供のように思っていたのでしょう。

 

エドガーの玉石混淆といった手段を選ばないやり方にはもちろん賛否両論ありますが、少なくともFBIという組織をつくり、犯罪捜査に最大限情報を活用することを始めた功績は偉大だと思います。しかし、そんな豪腕なやり方を貫く彼にも人間の弱さがあり、そしてどこか憎めない子供っぽい面があったのですが、そこがすごく精緻に描かれているのです。わたしは、彼のそんな面がとても愛おしく思えました。

 

三人の老けメイクが結構話題になっていますが、確かによくできています。特に、ナオミ・ワッツのメイクは自然で、上品に年を重ねたという印象。ディカプリオについては、メイクだけではなく、体型まで老いていく過程をちゃんと変化させていましたし。全体として、監督の細部へのこだわりが、随所に感じられる作品でした。

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