あず沙の映画レビュー・ノート

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武士の家計簿
評価:
コメント:2010 日本 邦画 ドラマ 時代劇 出演:堺雅人、仲間由紀恵、松坂慶子、中村雅俊

作品のイメージとして「ほのぼの」と感じておられる方が多いようですが、わたしはこの作品を観て感動、最後はホロリとしてしまいました。ベストセラー小説「武士の家計簿『加賀藩御算用者』の幕末維新」を、森田芳光監督が映画化した作品です。代々加賀藩に御算用者(今で言うと、お役所の経理係員)として仕えてきた猪山家…その八代目である直之(堺雅人)は、「そろばんバカ」とあだ名がつくほどの真面目で仕事熱心。そして、卓越した数学の才能を持ち合わせていました。しかし、融通が利かずカタブツな直之は、「自分は出世しそうにもない」と思っており、案の定不正な経理を発見してしまったときもそれを黙って見逃すことができずなかったために…。また、子供の教育においても、直之は手加減をすることはなかったのです。

 

お嫁さんのお駒(仲間由紀恵)の身になって考えると、「こんなガチガチに堅い夫ってどうかな〜」なんて思ってしまうのですが、直之は筋金入りの御算用者なんで、こういう風にしか生きられないんでしょう。そのために空気が読めなかったり人付き合いの面で損をしたりすることもあるのですが、見る人はちゃんと見てくれていているものなんですね(救われました)。良妻賢母なお駒も、そんな直之を理解しています。自分の親のお通夜でも葬式費用のそろばんをはじいているって(苦笑)、と普通思いますよね。でも、わたしは、どこかわかるような気がするんです。直之は、どうしてもそろばんから離れることができないのが。

 

「武士は食わねど高楊枝」と言いますが、直之は全くそれには当てはまらず、まさに「ボロは着てても心は錦」といった感じ。家計が厳しくなってきたときでも現実を見据えて、体裁を構わない…そんなところは幕末から明治へと通ずる、当時としては新しいタイプの人だったのだと思います。そして、その新しい考えが結局のところ、長男の成之にも引き継がれていったわけです。

 

俳優さんについては、堺雅人さんをはじめみなさん適役だったと思いますし、脚本もスッキリとまとまっているのではないのでしょうか。ただ一点だけあげるとすれば、長男・成之の回想シーンからの始まるのですが、成之のことばで観客に対して家族の紹介をします。つまり、直之のことを父と呼び、直之の父親のことを祖父と呼びながらナレーションするんで、ちょっと相関図がわかりづらかったです(主人公はあくまで直之なので)。「ナレーションしている人の父親=主人公」ということを、あらかじめ知っておいた方がよいかもしれません。

 

最後に、ホロリとしてしまった理由についてです。小説のタイトルそのものが、生涯「そろばんバカ」を通した直之の生きざまと共に力強く示されたので、心にグッと押し寄せるものがあったのだと思います。そして、始終成之の視点でストーリーが語られていて、その観客の感情はまさに成之の感情とダブらせてラストを盛り上げる展開で、素直に感動しました。原作の力(?)も無論あるのでしょうが、時代劇はあまり観ないという方にもおススメしたい佳作です。

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