あず沙の映画レビュー・ノート

しばらくお休みしておりましたが、そろそろ再開いたしました
<< April 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

- | | - | - | - | - |
ラビット・ホール
評価:
コメント:2010 アメリカ 洋画 ドラマ 出演:ニコール・キッドマン、アーロン・エッカート、ダイアン・ウィースト、タミー・ブランチャード

ニコール・キッドマンが自ら主演と制作を務め、第83回アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた作品で、子供を失った一組の夫婦を描いたお話です。8ケ月前にひとり息子ダニーを失ったベッカ(ニコール・キッドマン)は何をしていてもその悲しみから逃れることができず、鬱屈した日々を送っていました。夫ハウイー(アーロン・エッカート)と共にグループ・セラピーに参加しても、心の傷が癒えることはありません。そして、妹の妊娠をきっかけにダニーのものを少しずつ処分するベッカと息子の遺品を残しておきたいと思うハウイーの間に、少しずつ亀裂が出来始めて…

 

愛する人を失った喪失感と再生を描いた作品は結構ありますが、この作品ではとりわけ静かにかつ繊細に描かれています。ベッカは、ダニーを轢いた車を運転していた高校生ジェイソンを見つけ、彼と公園で話をするようになります。本来ならば、加害者である彼のことを憎むのでは…と思うのですが、彼も同じように苦しんでいたことを知ります。そして、彼が書いた漫画「うさぎの穴」の「並行宇宙」の概念に、一筋の光を見つけます。それは、この現実の世界とは別の世界がこの宇宙には存在し、その別世界への通り穴が「ラビット・ホール」なんだというお伽話です。ベッカの枯れ果てた心は、一滴一滴のしずくによって潤いを取り戻していく…そんな静かな癒しの過程が、精巧に描写されています。

 

深い悲しみが淡々とつづられているのではなく、またドラマティックなわけでもありませんが、夜明けのようなほのかな希望を感じさせてくれます。ベッカのお母さんの言葉にも、癒されるものがあります。それが、押し付けがましい励ましの仕方ではなく、涙があふれたときにさりげなくハンカチを差し出してくれるような、そんな優しさが感じられます。母親にとって、子供を失う以上の悲しみはないと思います。そんなどうしようもない悲しみですら、忘れることはできないけど、悲しみの重さが少しずつ軽くなるものなのですね。相当重い作品だろうと覚悟して観たわけですが、特にラストのシーンが印象的で、「観て良かった」というのが正直な感想です。

 

また、子供を失った母親の悲しみだけに焦点が当てられているのではなく、この作品はそれを手探りで乗り越えようとする一組の夫婦にも焦点が当てられているところが、陳腐さを感じさせない理由なのだと思います。夫婦の絆…それは、複雑で他人にはわかることができず、簡単には切れるものではない、ということも語られているような気がするのです。

 

ニコール・キッドマンは相変わらずキレイですし、今回では演技力に加えて制作でも実力があることを実証してくれました。そして、この作品を通じて、深い悲しみを抱えている人に救いの手を差しのべてくれている…とまでいうと、言い過ぎでしょうか。でも、それはとても温かく柔らかな手のように感じるのです。

スポンサーサイト
- | 09:28 | - | - | - | - |
コメント
from: 月見バーガー   2012/04/15 1:01 PM
こんにちは、月見バーガーと申します。
あし@コミニュテイから伺いました。
ブログ記事、楽しく拝見させていただきました。(o^-^o)
TUTAYAの新作であったので見ようかどうしようかちょうど迷ってましたが、こちらのブログをみて先程予約リストに入れました^^。
ラビット・ホール。。とても興味深いタイトルですね。


お時間がございましたらこちらへも遊びに来ていただけるとうれしいです。
http://www.futon-mail-order.jp/tukimi/
(DVD映画とかチリワインとかの雑感を書いてます)

また、お伺いしますんで^^...
from: あず沙   2012/04/16 8:27 PM
月見バーガーさん、はじめまして。ようこそ、いらっしゃいました。
『ラビット・ホール』…これからご覧になるのですね。
気が向いたら、感想をアップしてください(^^)
そちらにも、ちょくちょく伺わせていただきます。
またお越しくださいね☆
コメントする









 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://eigafan.jugem.jp/trackback/225
 

(C) 2017 ブログ JUGEM Some Rights Reserved.