あず沙の映画レビュー・ノート

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精神
評価:
コメント:2008 日本 教養・ドキュメント

 岡山市のとある精神科診療所(「こらーる岡山」)での待合室の様子、スタッフとそこに来られる方々とのやりとり、診察の風景や出演されている方々へのインタビューを撮った想田和弘監督によるドキュメンタリー作品です。(「観察映画」とも呼ぶには、それはちょっと失礼な気がするんですよね〜)。そこに出演されている方々についてのナレーションなどは一切なく、日常が淡々と映されています。まず驚いたのが、モザイクがかけられていないこと。これは、撮影する側もされる側も随分と勇気が要ったことだと思います。

 

精神科に通院される方への偏見は、確かに存在します。それを、この作品では「カーテン」と呼んでいたのですが、カーテンの向こう側にいる人とこちら側にいる人…そういう感覚が、確かにあるのかもしれません。しかし、自分がこの作品を観ていちばん強く思ったことは、「じゃあ『普通』って、いったい何?」ということです。精神科に通う人たちを普通じゃない人とするならば、「普通」とはいったいどんな基軸なのでしょうか?

 

人にはそれぞれ個性があり、悩みもあり、弱いところもあり、傷つきやすい存在だと思うんです。悲しいことがあれば鬱状態にもなりますし、人の言動に神経過敏になることもあるでしょう。そのことによって、あまりにも苦しくなれば受診するのでしょうが、では受診したから「正常ではない」とは言えないわけです。精神科に通っていない人だって、偏った性格の人もたくさんいるでしょう。それを個性ととらえるかそうでないかは、人それぞれなのです。

 

おそらく50代くらいの男性の方(長年統合失調症を患っていると、おっしゃっていました)が、穏やかな様子で客観的に自分のことについて語っておられました。カメラがまわっているから、というのもあるかもしれませんが、とても心を病んでいるようには見えませんでした。

 

脳科学というとまだ未知の領域でもあり、精神科に通う方々への偏見もあり、カーテンの向こうのことという概念があるかもしれませんが、やはりそのカーテンを取っ払って、みんなで考えなければいけない問題という意識が広がって行くためにも、この作品の公開が大きな一歩になっているような気がします。しかし、鬱は移ると言われていますように、みなさんの世界にこちらも引き込まれそうになったというのも、正直なところです。

 

出演された方々の中に、お亡くなりになった方も何人かいらっしゃるようですね。ご冥福をお祈りいたします。いろんな意味で、興味本位で観るものではなく、真摯な姿勢で観るべき作品だと思います。

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