あず沙の映画レビュー・ノート

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愛の地獄
1994  フランス  洋画 ドラマ  ミステリー・サスペンス  
作品のイメージ:かわいい、怖い
出演:エマニュエル・ベアール、フランソワ・クリュゼ、アンドレ・ビルムス

エマニュエル・ベアールが体当たりで挑むサイコ・サスペンス。ポール(フランソワ・クリュゼ)は湖畔のリゾートホテルのオーナーとなり、町一番の美しいネリー(エマニュエル・ベアール)と結婚し子供ももうけていた。ホテルも繁盛し大忙しのポールだったが、ネリーの行動が気になってしようがない。ネリーは、近所の青年と二人きりで部屋を暗くして、写真のスライドを見せていたり、その青年が運転するボートで水上スキーを楽しんでいたり・・。ポールはネリーがいろんな人と愛人関係にあるのでは・・と疑うようになり、ついにポールはネリーに暴力を振るうようになる。彼女は家庭の主治医アルヌー医師の所に逃げ込むが、今度はネリーとアルヌーの情事を疑うようになるポール。ついに、ポールは妻の浮気のどこからどこまでが現実で、自分の妄想がどこから始まっているのかさえ、わからなくなってしまう・・。

 

原題は「生き地獄」で、これはポールとネリー両方に当てはまる。妻があまりに美しく夫があまりに嫉妬深いために起こる悲劇。ポールがもともと精神的に不安定だったのか、美しいネリーと結婚したために嫉妬深くなったのかは、よくわからない。あるいは、リゾートホテルのオーナーになったばかりでビジネスを成功させなければならないというプレッシャーを抱えていたためのものなのか・・。前半の展開は、まるでネリーがいろんな男性と浮気しているような描写になっているのだが、後半はすべてポールの妄想から始まったことであることがわかり、そのためにネリーもがどんどん疲労していく様子が表わされている。

 

これは無限ループ・・原題が示す通り、終わりのない「生き地獄」である。ネリーが逃げると、ポールは激情的になり狂ったように追いかける。そして、例えポールが今の状態は二人にとってよくないことを悟ったとしても、離婚するという結末にはなりようがない。なぜなら、離婚してしまうと、ネリーを他の男性に取られてしまうかもしれないからだ。もはや、ネリーはポールから逃げられる術はない。というわけで、救いようのないお話なわけだが、ベアールの魅力溢れる姿とフランソワ・クリュゼの怪演は必見。但し、難点を挙げるとすれば、前半はポールの目線で描かれており、後半になりネリーの目線で描かれているため、観客は視点を切り替えることを自然に要求される。特に違和感はないが、前半と後半で流れが一旦中断されたような感覚を覚える。しかし、ラストの締め方が気が利いている。

 

ベアールのファンとしては、後半彼女が憔悴していく様子があまりに痛々しく感じられたが、二人の熱演によって、DVの怖しさ、夫のエスカレートする支配欲というか所有欲、それから逃れることのできない妻の苦しみがリアルに伝わってくる。また、ベアールが演じるファム・ファタール的な存在が、ポールの狂気にいっそう拍車を賭けているのがよくわかる。ポールは、美し過ぎる妻への倒錯せんばかりの思い込みによってどんどん狂っていくのだ。特に前半は、彼女の小悪魔的な魅力が溢れているので、ベアールの持ち味が十分に生かされていると言えるのでは。★3.1

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