あず沙の映画レビュー・ノート

しばらくお休みしておりましたが、そろそろ再開いたしました
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ピアニスト
2001  フランス  オーストリア  洋画  ドラマ  ラブロマンス  
作品のイメージ:怖い
出演:イザベル・ユペール、ブノワ・マジメル、アニー・ジラルド

4ヶ月、3週と2日」を観た以来の不快感を感じた作品。もう全くついていけない世界。小さい頃から母親に厳しく育てられたエリカは、40歳を過ぎてウィーン国立音楽院のピアノ教授となった今でも母と二人で暮らし母と一緒に寝ていた。ある日、エリカは演奏会の席で好青年ワルターに出会う。彼のピアノの才能にも彼自身にも惚れたエリカだったが、ワルターもまたエリカに特別な感情を抱き彼女に付きまとうようになる。ワルターは、エリカに強引にキスを迫りエリカもそれに応じるのだが、その時にエリカの今まで人に知られることのなかった秘密が露わになる・・。

 

2001年のカンヌ国際映画祭にて審査員特別グランプリ、男優賞、女優賞の3つを受賞し海外の各メディアからも称賛の嵐だったようだが、どのような基準で選ばれたのか、どこが称賛に値するのか、正直理解に苦しむ。見ていて生理的嫌悪感を抱いたと同時に、母親の絶対的支配下に置かれたせいで病的な性癖を持つ彼女に同情の念を抱いた。ワルターの言う通り、エリカは通院して適切な治療を受けるべきだと思う。その彼女の数々の変わった性癖については、ネタバレになるという理由以上に、あまりにも品が無さ過ぎてここに書きたくない。また、エリカは、過干渉に管理し続ける母親に対して、憎しみを感じつつも深い愛着を持っている。まさしく性愛の対象とさえ感じているような描写まである。

 

一箇所共感できる点と言えば、好きな相手になかなか自分の築いた鉄壁を崩すことができない女性の心理。演奏会の時点でエリカはワルターに一目惚れし、ワルターが試験を受けに来た時は本当は嬉しくて仕方ないのに、人に悟られないように必死で隠そうとするあの表情・・彼を愛している・・なのに、わざと気のない振りしたり・・。しかし、それは単なる普通の女性心理ではなくて、母から叩きこまれた信条が彼女自身を自由にさせてくれないからなのか。母親に支配されることにより、性的にも支配されたいというマゾヒズムが彼女の中に生まれていたのだろうか。この辺りは、もう精神病理学の域になるので、凡人には理解できない。

ワルターに軽くあしらわれて自尊心を失ってしまうラストでは、エリカはある行動に出る。胸に真紅の薔薇が開花するかのようにブラウスに広がる鮮血の染みはピアニストとしての自分との決別を示すのだとか(致死のための心臓ではなく高い位置の腕の腱を傷つけている・・これはピアニストとしては致命傷だそう)。今まで男性と付き合ったこともなく、行動と気持ち、心と身体とのバランスが取れない中年の女性エリカ。これからは、エリカは自分の力で健全な人生を歩んでいってほしいと思う・・もう母親の干渉を受けることなく。★0.8

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コメント
from: miyu   2009/07/08 2:35 PM
お祝いコメありがとうございました〜♪
う〜ん、この映画は実はお友達ブロガーさんに
あたしにオススメと言われて見たのですが、
確かにコレは好みが大きく分かれますよね。
あたしはハネケ監督の作品との出会いがこの映画だったのですが、
結構好きになってしまいました。
from: あず沙   2009/07/08 3:30 PM
miyuさん>いらっしゃいませ〜☆ 確かに評価が難しい作品ですよね。★5か★1かどっちか・・みたいな。強烈なインパクトで一生忘れないという意味では、高評価を付けてもよかったのかもしれません。ハネケ監督の他作品にも、ちょっと興味があります。
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 コチラの「ピアニスト」は、2001年カンヌ映画祭でグランプリ(審査員特別賞)、主演女優賞(イザベル・ユペール)、主演男優賞(ブノワ・マジメル)の3冠に輝いたラブ・サスペンスです。ついにミヒャエル・ハネケ監督作品デビューを果たしてしまいました。  厳格
☆彡映画鑑賞日記☆彡 | 2009/07/08 2:33 PM
ピアニストイザベル・ユペール ブノワ・マジメル アニー・ジラルド ミヒャエル・ハネケアミューズソフトエンタテインメント 2002-10-11 by G-Tools 主人公エリカ。 40代、処女。 ピアニスト。 厳格で密接な関係の母有。 一人でポルノビデオ屋で鑑賞。 そん
菫色映画 | 2009/07/08 9:51 PM
演技力に圧倒されました。これは凄いです。 心情も非常にリアル。過保護な母親と対立しながらも繋がりあう形、愛を求めているのに自意識のほうがそれにより勝ってしまう。 愛を求めつつも拒絶しているようにもみえます。「おろかな欲望に身を蝕まれる」どうして苦し
いやいやえん | 2009/07/08 10:35 PM
ピアニスト [DVD]◆プチレビュー◆有名な、トイレから引きずり出してのキスシーンがすごい。作品のインパクトは最高だ。中年になった今も厳格な母親に支配され、名門音楽院のピアノ教授として生きるエリカ。恋やおしゃれとは無縁の彼女の前に、若く才能溢れる青年ワルタ
映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子公式HP | 2009/07/08 11:34 PM
監督:ミヒャエル・ハネケ キャスト:イザベル・ユペール、ブノワ・マジメル、アニー・ジラルド 製作:2001年、フランス/オーストリア ウィーン国立音楽院の教授で優秀なピアニストであるエリカは、幼少の頃から母親にピアニストとして厳しく育てられた。しかし、4
ひでの徒然『映画』日記 | 2009/07/08 11:36 PM
この間、久しぶりに2度目の鑑賞となった映画ですが、初見の時はブログを始めてなかったので書いてませんでした。 今回、再見して思うところ(感じたところ)も変わってきたので書く気になりました。 2001年のカンヌ映画祭で、審査員特別賞、主演女優賞、主演男
Kaz.Log Cinema | 2009/07/13 8:14 PM
 

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