あず沙の映画レビュー・ノート

しばらくお休みしておりましたが、そろそろ再開いたしました
<< May 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

- | | - | - | - | - |
パッション
2004  アメリカ  洋画  ドラマ  バイオレンス  
作品のイメージ:切ない、スゴイ、ためになる
出演:ジム・カヴィーゼル、モニカ・ベルッチ、マヤ・モルゲンステルン、ロザリンダ・チェレンターノ

一言で言えば、あまりにも痛すぎる作品。劇場で観る勇気がなかったのだが、いずれ観ようと思っていたので、意を決してDVDで鑑賞(そう言えば、ユダヤ人が悪者に描かれていたので、ユダヤ資本の大きな劇場ではあまり上演していませんでしたね)。イエス・キリストは、弟子のユダに裏切られ、大司祭が差し向けた兵に捕らえられる。そして、裁判で自らを救世主だとほのめかしたイエスは、神の冒涜者としてローマ提督に引き渡される。ローマ提督は、イエスに対して敵意のある司祭と群衆を前に、彼を十字架にかける決定を下す。鞭打たれ、傷だらけの体で十字架を背負いゴルゴダの丘へと足を進めるイエスは、それでも人々のために祈り続けた・・。

 

メル・ギブソンが12年の歳月をかけて構想を練り私財をはたいて制作した作品で、新約聖書が忠実に再現されている(でも歴史的事実とは100%一致するわけではないので、フィクションということになるのでしょう)。イエスがゴルゴタの丘に向かう途中で倒れた回数まで、きっちりと新約聖書通りなんだとか。また、アラム語、ラテン語やヘブライ語など、当時の人たちが喋っていた言葉が、そのまま使われている。イエスたちはアラム語を喋り、ローマ人同志はラテン語を話している。目を覆いたくなるような残虐なシーンの数々・・それを観ている母マリアと奥さんであるマグダラのマリア(モニカ・ベルッチ)の辛さが、セリフからではなく映像から伝わってくる。

 

あまりのショックで死人も出たという本作・・いろんな意味において物議を醸し出したとのことだが、クリスチャンではない私にとっては、新約聖書を詳しく知る意味でとてもためになった。なんせセリフは英語ではないので、セリフよりも映像で「最後の晩餐」から「十字架に磔にされる」シーンまで詳しく(そして痛く)知ることができた。しかし、ここまでリアリズムを追及する必要があったのか・・という疑問が残る。受難の厳しさを表現したかったことはわかる。しかし、イエスが鞭打ちの刑を受けるところや、十字架を担いで坂を上っていくところ、十字架刑に処せられるところは、非常に凄惨なシーンの連続で、私にはちょっと過度な演出のように感じられた。

 

イエスを取り巻く人々の動きが、生々しい。お金のために自分の師を売るユダ、群衆の力に負けてしまうローマ提督、無理やり十字架担ぎを手伝わされるが自らの意思でイエスの十字架を担ぐようになるシモン、そしてマリアを守るヨハネ・・。もし、自分が母マリアだったら、あんなにじっと苦しみを耐えることはできない。きっと泣き叫んでしまうと思う。マグダラのマリアであったとしても、然り。また、自分がイエスであったら、こんな酷い目に合わされて人々のために祈るなんてことは到底できないであろうと思った。ここが、イエスが救世主である証しであり、「神」として復活する所以であろう。

 

私はDVDで一度しか鑑賞していないが、クリスチャンの方、新約聖書に詳しい方には、何度も鑑賞してメル・ギブソンが細部までこだわり全身全霊を込めて制作した真価を見いだせる作品ではないだろうか。★3.2

スポンサーサイト
- | 13:17 | - | - | - | - |
コメント
from: オカピー   2009/07/20 12:07 PM
いつもお世話になっています。
3週間ほど前にTBを戴きましたが、この間ちょうど入院し昨日やっと退院したので、レスポンスが今頃になってしまいました。申し訳ございません。

メル・ギブソンは徹底したリアリズムの人なんですよね。
本作でも「アポカリプト」でも世界中で殆ど聞き取れる人がいないその当時の言葉で映画を作る徹底ぶり。
ここまでやれば「頭が下がります」といったところでしょうか(笑)。
from: あず沙   2009/07/20 1:39 PM
オカピーさん>いらっしゃいませ☆ そうだったんですね。退院おめでとうございます。お気遣いいただき、恐縮です。こちらこそ、いつもお世話になっています。「アポカリプト」と同様、リアリズムの極致という感じですね。両方とも、劇場ではなくDVD鑑賞でしたが、それでもその徹底ぶりには圧倒されてしまい、衝撃で精神的に消耗してしまったほどです。そのリアリズムは一流と言えますよね。
コメントする









 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://eigafan.jugem.jp/trackback/187
 コチラの「パッション」は、イエス・キリストが磔刑に処されるまでの最後の12時間を描いたPG-12指定の宗教映画です。現在公開中の「アポカリプト」を週末に観ようと思っているのですが、なかなか残酷なシーンもあるとかで、その前にやはり残酷だと評判だったこの映
☆彡映画鑑賞日記☆彡 | 2009/06/30 2:02 PM
ローマ教皇が「全て真実が描かれている」とオフのコメントを残し、熱心なキリスト信者の中にはこの映画を見てショック死した方までいたほど衝撃的な映画でした。キリスト教徒でない方にも是非見ていただきたい、映画を超えた映画ともいえる素晴らしい作品です。 イエ
めでぃあみっくす | 2009/06/30 2:32 PM
PASSION = キリストの受難 罪を背負うイエスを通して訴える反戦映画
Akira's VOICE | 2009/06/30 4:13 PM
仕事の波が襲ってきてまして・・・久々のエントリーです。 今日は、メル・ギブソン監督・製作・共同脚本の「パッション」をみました。 イエスの最後の12時間をリアル(事実だとして)に描写したもの。 公式ページによると・・・メル・ギブソンは、 「私の望みは
Big Screen | 2009/07/01 6:28 AM
ユダの裏切りにあい捕らえられたイエスが、十字架の刑のかけられ最期を迎えそして復活するまでのお話。とうとう見てしまいました。いつかは見ようと思っていましたけど・・・賛否両論はありましたが、興味のない人にとってはただの残酷な映画なんでしょうか。私はカトリ
映画鑑賞★日記・・・ | 2009/07/01 12:47 PM
今回の「まとめ」シリーズは、先日のエントリー内容とも関係しているのですが、聖書のエピソードに関係する...
犬儒学派的牧歌 | 2009/07/02 11:08 PM
☆☆☆★(7点/10点満中) 2004アメリカ=イタリア映画 監督メル・ギブスン ネタバレあり
プロフェッサー・オカピーの部屋[別館] | 2009/07/20 12:02 PM
 

(C) 2017 ブログ JUGEM Some Rights Reserved.