あず沙の映画レビュー・ノート

しばらくお休みしておりましたが、そろそろ再開いたしました
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ことの終わり
1999  イギリス  アメリカ  洋画  ラブロマンス  ドラマ  
作品のイメージ:切ない
出演:レイフ・ファインズ、ジュリアン・ムーア、スティーブン・レイ、イアン・ハート、ジェイソン・アイザックス

不倫のお話かと思いきや、意外にも宗教が絡んでくる作品であった。1946年のロンドン。モーリス(レイフ・ファインズ)は、旧友のヘンリー(スティーヴン・レイ)から、妻のサラ(ジュリアン・ムーア)が浮気しているのではないかとの相談を受ける。サラとモーリスは戦時中不倫の関係にあり、嫉妬を感じたモーリスはサラの素行調査を探偵に依頼する。二年前、二人の居た建物が爆撃を受け、気絶していたモーリスが目を覚ますと、サラは彼から去って行ったのだった。サラを未だに忘れられないモーリスは、探偵が入手した日記を読んで、意外な真相を知ることになる・・。

 

おそらく私自身が無神論者故に、ヒロインへの感情移入が難しかったのだと思う。しかし、自分が本当に愛する人のために祈り、自分の命をも引き換えにするというサラの美しい心とジュリアン・ムーアの外見的な美しさがマッチして、作品自体から芳しい香りが放たれているような印象を受けた。モーリスについては、別れた女性にこだわり素行調査まで依頼して人の日記を読んじゃうなんて、あまりにも粘着気質なのでは・・。ジュリアン・ムーアと対照的にレイフ・ファインズは最初はミスキャストのような気がしたが、全篇を通して観た後は案外(?)合っているという感じも。

 

ある奇跡が起こることによって、突然信仰心というのは生まれるものなのだろうか・・?キリスト教の教えであるところの、自分を捧げるかわりに愛する人を救う「自己犠牲」の精神が、モーリスへの愛によって生まれたのか、あるいは奇跡によって生まれたのか・・?いずれにしても、純愛から生まれた信仰心ということになるのだろうが、この純愛と前半の官能的すぎる(というか露骨な)性描写シーンとがバランスがとれていないような。前半の部分をもう少し抑え気味にして、表情や目の動きなどから二人の愛を表現して欲しかった。

 

他の作品のレビューでも書いている通り、男女の愛を考えた場合、男性は別れた女性のことをいつまでも忘れられないというかこだわってしまうけど、女性の場合はあることがきっかけで別の方向に転換できるものなんだなぁ〜、なんていつも通りの感想を持ってしまった。最近観た邦画の「失楽園」にも言えることだが、結婚できない男女の愛の終わりは、ある一つの「昇華」でしかないと思う。「失楽園」の場合は衝撃的なかたちでの心中、そして本作では女性側の宗教心の目覚めということになるのだろうか。

 

家族愛と恋愛は違う。ヘンリーはサラを家族として愛し、モーリスはサラを女性として愛した。だから、三人で暮らすという奇妙な関係が成立してしまったのであろう。そう考えると、サラは二人の男性から別のかたちで愛されて、恵まれた女性と言えるのかも。それは、彼女なりの信念を貫いたからであり、彼女なりの信仰心を持ち続けたからであり、彼女の愛が単なる不倫で終わっていないからではないか。


このドラマが他の恋愛ドラマと一味違っているのは、モーリスとサラの両方からの視点で描かれていることと、現在と過去が交錯するかたちで描かれていることで、恋愛ドラマに加えてミステリーの要素も加えられているところ。原作の名作小説「情事の終わり」をニール・ジョーダン監督なりに優美かつ上品に映画化している本作は、恋の衝動を止めることのできない二人の切なさが心に沁みわたるような作品に仕上がっている。★3.4

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コメント
from: ツボ   2009/06/27 1:32 AM
TBありがとうございます。

ジュリアン・ムーア、結構好きです。
from: あず沙   2009/06/27 10:58 AM
ツボさん>コメント、ありがとうございます。ジュリアン・ムーア、独特の魅力と気品があってステキですよね☆
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別離の理由は・・・
悠雅的生活 | 2009/06/26 7:16 PM
 コチラの「ことの終わり」は、原作がグレアム・グリーンの「情事の終わり」という自伝的と言うか実体験をモトにした恋愛小説を、ニール・ジョーダン監督が映画化したちょっとサスペンス風のラブ・ロマンス映画です。  作家のベンドリックス・モーリス(レイフ・フ
☆彡映画鑑賞日記☆彡 | 2009/06/26 7:19 PM
 

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