あず沙の映画レビュー・ノート

しばらくお休みしておりましたが、そろそろ再開いたしました
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いつか読書する日
2005  日本  邦画  ラブロマンス  ドラマ  
作品のイメージ:ほのぼの、切ない
出演:田中裕子、岸部一徳、仁科亜季子、渡辺美佐子

田中裕子の圧倒的な存在感と、岸辺一徳の感慨深い演技が見物の作品。朝は牛乳配達、昼はスーパーで働く50歳の独身女性・美奈子(田中裕子)は、30年以上もただ一人の男性を想い続けてきた。その男性とは、美奈子の高校時代の同級生である槐多(岸辺一徳)。槐多も美奈子と同様故郷の町で暮らし、妻で末期ガンを患う容子(仁科亜季子)を自宅で看病しながら、市役所の児童課に勤務していた。美奈子は自転車で、槐多はバスで職場へ通う。毎朝同じ時間に、同じ場所で二人はすれ違う。なのに、決して視線が合う事はない。30年以上も、目を合わす事なく過ごしていた二人。目を合わさなくても、お互いの気持ちを確認していたのだった・・。

 

毎朝牛乳を届けるために、牛乳のびんをがちゃがちゃ鳴らしながら駆け上がる階段、そして美奈子の息づかい・・淡々と過ごす毎日の中にも、美奈子の胸に秘めた熱い想いがたまに見え隠れする。美奈子の日常が、撮影風景である町の人々の日常とうまく融合していて、「ごく普通の生活」がさり気なく静かに描かれている。それに絡むように、アルツハイマーが進行する元英文学者と小説家であるその妻、育児放棄される少年といった脇の人物のショートストーリーが、気の利いたアクセントになっている。そう、日常とは淡々としているが、その中にも人々はそれぞれの毎日を精一杯生きているのである。

 

市役所にやって来た85歳の老人に、50歳の槐多は「50歳から85歳までは長いですか?」と尋ねる・・これは、タイトルである「いつか読書する日」を暗示しているかのよう。積み上げられた膨大な量の本が、美奈子のこれからの長く静かな人生を物語っているのではないだろうか。彼女は新聞に広告が出ている面白そうな新刊書があるとそれを切り抜くシーンがあるが、本を蓄積して「いつか読書する日」のために日々備えているのだ、牛乳を配りながら。「できればこの町の人全員に牛乳を届けたい」という美奈子のセリフ・・彼女は自分の仕事を根っから好きなのだ。好きな仕事を長年続けられているというのは、羨ましくも思う。

 

それにしても、田中裕子はハマリ役というのか。50歳女性の魅力を存分にこの役にぶつけているというか・・。かたや、岸辺一徳の渋い演技は言うまでもない。不器用で恋愛に奥手な二人の微妙な距離を、それぞれの表情やセリフの間で表現している。二人の演技は安定していて、それほど大袈裟なセリフの言い回しもなく、自然に日常生活に馴染んだものばかり・・しかし、時折迸るような情熱が・・。まさに、「平凡」そのものを演じているが、けっして平板になっていないところが凄い。リアリティから、ふと零れおちる熱い情熱・・その情熱が柔らかく、時にははかなげで、愛らしい花びらのよう。

 

個人的に難点と思えるところは、槐多が「今まで思ってきたことしたい」と言って美奈子を抱きしめ、美奈子が「全部して」と答えるシーン。ここは、ちょっといただけないと思ったのと、美奈子の下着のあまりの色気のなさがちょっと哀れというか・・。できれば、最後までプラトニックな恋であってほしかったなぁ・・というのが、正直な感想。

 

美奈子の立場を、自分の立場にちょっと置き換えてみた。「いつかレビューする日」という作品があってもいいのではないか・・とか(←おもしろくもなんともない!・・スミマセン)。★3.4 
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 コチラの「いつか読書する日」は、田中裕子と岸部一徳の共演で描かれる30年来の初恋を描いたメロドラマです。とは言っても、主演がこの2人ですから、メロメロなメロドラマなハズもないのですが、ナニゲに沢田研二つながりっつ〜のが、気になるところです(´▽`*)ア
☆彡映画鑑賞日記☆彡 | 2009/06/15 4:37 PM
これもなかなか好評のようで楽しみにしてたんですが、評判通りの作品で魅せられましたね。いわゆる大人のラブストーリーなんだけど、どこか初々しくそして切なく淡い恋模様。児童福祉や老人介護など社会的問題を織り交ぜながらも、決して重くなることなく、独身の中年女
カノンな日々 | 2009/06/15 6:40 PM
いつか読書する日監督 緒方明ビデオで鑑賞少しあらすじ 50才で独身の大場美奈子は、朝の牛乳配達とスーパーのパートで生計を立てている。楽しみは読書だけのような平穏な生活だが心の底では高校時代の恋人高梨槐多のことを思い続けていた。市役所の児童福祉課に勤める
ももたろうサブライ | 2009/06/15 9:03 PM
ヒューマン=ブラック・ボックス -映画のご紹介(111) いつか読書する日-狙いは面白いのだが、 平凡を演じた演技が平板過ぎた。 大場美奈子(田中裕子)は、坂の多い町で牛乳配達をする50歳の女性。 父を早くに亡くし、母も
ヒューマン=ブラック・ボックス | 2009/06/15 10:00 PM
☆☆☆★(7点/10点満点中) 2005年日本映画 監督・緒方明 ネタバレあり
プロフェッサー・オカピーの部屋[別館] | 2009/06/15 10:38 PM
いつか読書する日 [DVD] (2004/日本) 朝は牛乳配達、昼はスーパーで働く50歳の独身女性・美奈子。彼女の楽しみは想いを寄せる同級生・槐多に毎朝、牛乳を届けることだった。(シネマトゥデイ)
みかんのReading Diary♪ | 2009/06/15 11:35 PM
あらすじ大場美奈子。50才、独身。朝は牛乳配達昼はスーパーで働き、日々を暮らしている。同じ町の市役所に勤務する高梨槐多は毎朝近付いて来る牛乳瓶の澄んだ音にじっと耳を傾けている。美奈子と槐多は、幼い恋を胸に秘めたまま30年以上の時間を別々に生きて来たの
虎党 団塊ジュニア の 日常 グルメ 映画 ブログ | 2009/06/16 12:39 AM
[ いつか読書する日 ]@渋谷で鑑賞。 前評判では、いいと聞いていたので早速上映初日に行ってきた。 いつもはひとりで見るのだが、ひさしぶりに友達と一緒だった。 ストーリーはこんな感じ。 誰よりも大切な人。けれど、触れ合うことはおろか、目を合わせるこ
アロハ坊主の日がな一日 | 2009/06/16 1:42 AM
50歳で独身、牛乳配達とパート勤造で暮らしている美奈(田中裕子)。 末期ガンの妻を看病している役所勤造の槐多(岸部一徳)。 二人は高校の同級生。当時つきあっていたが、それぞれの父親と母親が自転車の二人乗りで交通事故死してから疎遠になってしまった。 あれ
気ままに映画日記☆ | 2009/06/16 9:48 PM
 

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