あず沙の映画レビュー・ノート

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フェイク シティ ある男のルール
2008  アメリカ  洋画  アクション  刑事  
作品のイメージ:カッコいい、ドキドキ・ハラハラ、スゴイ
出演:キアヌ・リーブス、フォレスト・ウィテカー、ヒュー・ローリー、クリス・エヴァンス

ロス市警の刑事トム・ラドロー(キアヌ・リーヴス)は、正義のために自分のルールを貫く一匹狼。そのやり方が同僚たちから問題視されていたものの、上司のジャック・ワンダー(フォレスト・ウィテカー)だけは、強引な違法捜査で大きな実績と成果を積み上げる捜査班の中でも特攻隊長的な役割を担うトムを買っていた。しかし、トムは、かつての相棒ワシントンが、彼を内部調査部に密告しようとしていると聞かされる。その直後、ワシントンは強盗事件に巻き込まれ、トムの目の前で殺されてしまう。犯人を取り逃してしまったトムは、自ら犯人を挙げるべく独自で捜査 を進めていくが・・。

 

「地球が静止する日」のクラトゥから一転し、人間臭い刑事をキアヌが好演(どうでもいい話ですが、配給が「地球が静止する日」と同じ20世紀フォックスなんですね)。また、ラドローは真犯人を追求する一方で自分の身も守らなくてはならない・・そんなジレンマの中で、ドラマは署内に蔓延する不正の暴露へと大きな広がりを見せていく・・といった観客を飽きさせない展開は、「L.A.コンフィデンシャル」や「ブラック・ダリア」の原作者であるジェイムズ・エルロイの脚本が光るところ。銃撃戦もかなり迫力がある。

 

原題は、”Street Kings“。裏社会に君臨する「キング」とは、いったい誰なのか。黒幕は、途中観ていてピンと来てしまう。「悪い奴にも悪い奴なりの言い分がある」ということで、ラストで黒幕の価値観が語られるわけだが、ラドローがそれを聞いて選択する行動は・・。こういったダークな感じのクライム・アクションは他にもいろいろあるが、観るたびに組織の中で芯から信じられる人なんかいないものなのか・・なんて凹んでしまう。「昨日の敵は今日の味方」・・そして、その逆のパターンも然り。巨大なパワーを組織で掴んでしまうというところは、どういうことか。内部統制がちゃんと機能している場合はよい。しかし、そうでない場合は、巨大なパワーが深い闇を生んでしまい、その闇がとてつもない方向へと広がっていってしまうリスクもあるわけで・・。

 

問題は、黒幕が自分が悪いことをしているという意識が全くないということ。ラドローに対して「善などどこにも存在しない。だからこれは必要なことなのだ」と切々と語るのだが、この語りが一理あるような感覚に陥るほど説得力がある。また、黒幕の俳優自身の存在感もたっぷりで(これ以上書くとネタバレなので自粛します)、「この人、間違ったこと言っていないんじゃないかな」と一瞬思えてしまうほど。しかし、「犯罪都市ロスにおける善とは、そして悪とは?」と考えさせられるほどの深いドラマではない。組織の腐敗をえぐる二転三転のストーリーの妙に加えて、入り組んだ人間模様や善と悪の境界を疾走するラドローのアウトローぶり・・それがリアルで生臭く描かれているドラマという感じ。ハリウッドお得意の刑事ものだが、内容が内容だけに日本で高く評価されるかどうかは、やや疑問。

 

ラドローと行動を共にするディスカント刑事については、せっかくクリス・エヴァンスを起用しているのに、あまりその起用が活きていないような(いや、ご本人の演技のせいではなく、キャスティング的にという意味です)・・その点はちょっぴり残念。最後に超個人的な意見を言わせてもらうと、オッサン臭いキアヌもなかなかいいなぁ。★3.3

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コメント
from: k.onodera   2009/06/10 1:08 PM
TBいただきありがとうございます。
読ませていただき、私も同じような感想を持ちました。
キャスティングや演技、演出など、特筆すべきものが無さそうな映画ですが、唯一、エルロイ脚本は冴えていたと思います。
『L.A.コンフィデンシャル』や『ブラック・ダリア』と同様、「世界(L.A.)はここまで腐敗しきっている!」というテーマを全面に押し出した、凄みを感じました。
このあたりが、エルロイが狂犬と言われる所以なのでしょうね。
from: あず沙   2009/06/10 3:23 PM
k.onoderaさん>コメント、ありがとうございます。おっしゃる通り、語りが少ない中にもアメリカの暗部を抉るような巧みな描写は、エルロイの特徴ですよね。ストーリー的には斬新なものではないですが、それなりにインパクトのある作品だったと思います☆
from: hyoutan2005   2009/08/01 11:36 PM
TBありがとうございました。
1ヶ月以上も前に戴いたのにお返しが遅くなり申しわけありません。
>最後に超個人的な意見を言わせてもらうと、オッサン臭いキアヌもなかなかいいなぁ。
ですよね、彼にはもっとこう言った「生身の人間」を演じて欲しいです。
『L.A.コンフィデンシャル』にはちょっと及ばなかったかも知れませんが、エルロイの脚本の力をやはり感じた作品でした。
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