あず沙の映画レビュー・ノート

しばらくお休みしておりましたが、そろそろ再開いたしました
<< November 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

- | | - | - | - | - |
親密すぎるうちあけ話
2004  フランス  洋画  ドラマ  ラブロマンス  
作品のイメージ:ほのぼの、萌え
出演:サンドリーヌ・ボネール、ファブリス・ルキーニ、ミシェル・デュショソーワ、アンヌ・ブロシェ

「ランジェ公爵夫人」でおフランス的な「恋の駆け引き」にちょっと興味が湧き、本作をレンタル。夫婦生活に悩みを抱えた女性アンヌは、ある日精神分析医を訪ねる。しかし、事務所を間違えて、とある税理士の事務所のドアをノックしてしまう。その税理士の男性を精神分析医だと思い込み、彼に赤裸々な夫婦生活を語るアンヌ。かたや、妻と離婚したばかりの税理士の男性ウィリアムは、人違いだと言えないままアンヌの話を聞いていくうちに、アンヌへの特別な感情が芽生えてくる。しかし、ウィリアムはアンヌへの想いを心に秘めたまま・・。

 

二人の心情が巧みなカメラワークで、立体的かつシクエンシャルな描写となっている感じ。ビジュアルの面からは官能的ではないが、大人の恋心が不安定に動いていく様子が、ウィットに富んだセリフや二人の表情・動作、絶妙な間によって、観客を静かに二人の世界へと引き込むような設定になっている。最初にウィリアムの事務所を訪れたアンヌが、徐々に女性の魅力たっぷりに挑発的と言えるまでに変身していく過程も見物。身も心も枯れていた一人の女性が、女性としての輝きを放つようになり、やがて遠くへ羽ばたいていく。しかし、最後は・・。仏映画には珍しく、心温まるようなハッピー・エンドなラブ・ストーリーなので、観ていて清々しい気分になった。

 

邦題は原題の直訳となっているが、このタイトルから官能的な作品を想像して鑑賞した方は、肩透かしを感じられるかもしれない。また、お金がまるでかかっていないことが丸わかりの作品なので、「おしゃれ」とまでは言えない。しかし、ここまでプラトニックなのに、深遠な大人の恋愛を肌で感じるように味あわせてくれるという意味では、「さすがルコント監督」ということになるのであろう。それにしても、アンヌの夫の気持ちが全く理解不能。アンヌに執着するという愛し方だったのだろうが、その割にはあっさり離婚に承諾するって・・?

 

男性として、好きな女性の赤裸々な性生活の話を聞かされるのはどんな気持ちなのかな・・と思ってしまった。逆に、女性の立場だったら、好きな男性のそんな話は聞きたくない。ウィリアムはそんな話を聞かされたからアンヌへ興味を持つようになったのか、あるいは一目見たときから彼女に魅かれていたのか・・。そのあたりがよくわからないし、男性の方のご意見を伺ってみたいところ。また、別れた前妻が頻繁に事務所に訪ねてきては近況やアンヌとの関係を聞いたり、親密な友達のような関係を続けているところは、このウィリアムの人の良さからくるものなのか、はてさてこれもおフランス的ということなのか。

 

やはり、ウィリアムのアンヌへの気持ちはどこから始まったのか、それがいちばん気になる。身体的触れ合いがあるわけでもないし、いきなり自分の事務所に間違えて入ってきた女性なわけだから自ら選んだ女性でもない。これは、きっと「自分の恥ずかしい秘密を二人っきりの部屋で相手に晒す」というアンヌの行為から芽生えた恋ではないだろうか、という見方もできる。そう考えると、男女の感情って不思議。どんなところから相手を異性として意識し出すかわからないし、どんな過程で恋に発展するかもわからない。そして、自分の気持ちを相手に伝えるかたちも、さまざま。とても静かに自分を抑え気味に相手に接する・・そして、二人の会話からミステリアスな雰囲気と気品が溢れる・・こんな大人の男女の恋物語を、たくさん観てみたい。★3.3

スポンサーサイト
- | 14:23 | - | - | - | - |
コメント
コメントする









 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://eigafan.jugem.jp/trackback/156
あらすじ予約をしていたと言う女を、男はオフィスに招き入れる。おもむろに長椅子に座った彼女は、いきなり結婚生活の悩みを打ちあけるのだった。すっかり冷え切った夫婦関係を一気に告白した女は当惑顔の男の言葉を待つこともなく、次回の予約をし早々にオフィスから立
虎党 団塊ジュニア の 日常 グルメ 映画 ブログ | 2009/06/07 8:41 PM
劇場予告編の雰囲気だけで、すっかりやらちゃった感があるのですが、「仕立て屋の恋」「髪結いの亭主」パトリス・ルコント監督の最新作です。なんといえない、エレガントでセクシーな大人のロマンティックストーリーです。 +++ちょいあらすじ
カノンな日々 | 2009/06/07 9:23 PM
  妻と別れて孤独な日々を送る会計士のウィリアム(ファブリス・ルキーニ)の事務所に、ある日、アンヌ(サンドリーヌ・ボネール)という名の美しい女性が訪ねてくる。 彼女は前ぶれもなく、自分の夫との私生活について赤裸々に語り始める。 実は精神科医を訪ね
サムソン・マスラーオの映画ずんどこ村 | 2009/06/07 9:48 PM
あなたの話を聞かせてください  パートナーと別れ、寂しい生活を送る税理士ウィリアム。ある日彼の事務所に美しい女性アンヌが訪ねてくる。彼女はウィリアムを前に、夫婦間の問題を語りだし、泣き出してしまう。悩みを抱えた彼女は、精神分析医を訪ねるつもりが、ノッ
CINECHANの映画感想 | 2009/06/08 1:09 AM
本作『親密すぎるうちあけ話』は、2004年2月のベルリン国際映画祭コンペティション部門に正式出品された後、2月25日にフランス公開。 「ルコントの最も素晴らしい作品」(プルミエール誌)など大絶賛され、04年8月からは全米公開。「ヒッチコックの最高作の精神を継
パピ子と一緒にケ・セ・ラ・セラ | 2009/06/08 11:59 PM
予告編であらすじを見ただけで気に入ったこの映画。シャンテ・シネはいい映画を集めますね。 今度84年のジャームッシュのストレンジャー・ザン・パラダイスを上映するそうです。予定に入れとこうっと。 タイトル:親密すぎるうちあけ話 監督:パトリス・ルコント 出
気ままに映画日記☆ | 2009/06/09 12:25 AM
 

(C) 2017 ブログ JUGEM Some Rights Reserved.