あず沙の映画レビュー・ノート

しばらくお休みしておりましたが、そろそろ再開いたしました
<< August 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

- | | - | - | - | - |
レールズ&タイズ
2007 アメリカ 洋画 ドラマ
作品のイメージ:切ない
出演:ケヴィン・ベーコン、マーシャ・ゲイ・ハーデン、デイヴィ・ダナー

冒頭は、JR福知山線の脱線事故を思い出してしまった作品。特急列車を運転中の鉄道技師トム(ケヴィン・ベーコン)は、前方の踏切線路内に車が止めてあるのを発見する。急ブレーキをかけると脱線するリスクがあることから、ブレーキをかけずに列車を減速させるが、間に合わずに列車は車を跳ねてしまう。乗客は全員無事、運転席の女性の息子デイヴィは自力で脱出するも車中の女性は亡くなってしまう、といった出だし。女性は精神的に不安定で、自殺を図ったのだ。列車を運転する側にとっては、線路内に侵入されたらどうしようもない。急ブレーキをかけるかどうかの一瞬の判断が要求されるが、脱線のリスクがある以上、むやみにブレーキをかけるわけにもいかない。乗客の命を預かっている運転士の責任の重さと常に前方に注意していないといけないという任務の大変さが、すごくリアルに伝わってきた。

トムと妻のメーガン(マーシャ・ゲイ・ハーデン)の二人には子供はなく、メーガンは末期ガンを患っていた。デイヴィは母親を跳ねた列車を運転していたトムを探しあてトムを責めるが、トム夫婦とデイヴィはやがて心を通わせるようになり一緒に住むことになる。しかし、これは違法。被害者の家族と事故の責任者である審理中のトムが無断で会うことは、禁止されている。それを承知で、余命わずかのメーガンとデイヴィの親子のような関係を続けさせようとするトムだったが・・。

全体として、いろんな要素を詰め込み過ぎのような印象を受けた。鉄道技師としての仕事の大変さと妻の病気、そしてそこに現れた被害者の子供との関係。あまり結びつかない要素をうまく結び付け過ぎているような気がしてならない。それに、「人生白か黒かで片付けられないこともある」と言いつつ違法であることを承知で三人で住み始めたものの、結局は正規の方法でデイヴィを息子として育てることを選ぶというのであれば、最初からそうすればよかったのに・・と思ってしまった。

「時間は戻らないが、戻せたとしても自分は同じ行動をとる」と言い切るトム。仕事においてはいつも理路整然としているのだが、デイヴィのことに関しては理論的には片付けられない。きっと、病気の妻を思いやってのことなのだろう。家族への愛情に関しては、理屈では片付けられないということを謳っているようで、この辺りは心を揺さぶるものがあった。行方のわからないデイヴィを探していたソーシャル・ワーカーが、幸せそうな三人を見て通報を止めるシーンも、じんわりと心が温まった。しかし、「あの車に乗っていたのが私だったら、あなたはブレーキを踏んでいた?」というメーガンのセリフは愚問。まるで、「仕事と私とどっちが大事?」と聞く愚妻のよう。このセリフはカットすべき。

演技も然ることながら、ケヴィン・ベーコンの子供と一緒にいるときの笑顔が素敵。「あぁ、いい俳優さんだなぁ」と、素直に思ってしまった。デイヴィに関しては、妙に大人びた子供だなぁという印象。未公開シーンとして、列車が大好きだったトムの子供時代の回想やデイヴィが里親のところから抜け出してトムを探しに行くシーンが収録されている。これらは本篇に含めなくて、正解だったと思う。これ以上いろんな要素を増やしてしまうと、さらに内容が散漫になってしまう。

言わば、ケヴィン・ベーコンの演技力に助けられたようなドラマ。脚本も荒削りだし、プロットの構成も上述のように多岐に亘り過ぎている。でも、クリント・イーストウッドの娘で女優でもあるアリソン・イーストウッドの初監督作品ということであれば、将来への可能性を十分に見せつけた作品だと思う。DVDスルーになったのは残念。今後に期待したい監督さんである。★3.2
スポンサーサイト
- | 16:16 | - | - | - | - |
コメント
from: -   2013/10/08 4:29 PM
管理者の承認待ちコメントです。
コメントする









 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://eigafan.jugem.jp/trackback/132
 コチラの「レールズ&タイズ」は、クリント・イーストウッドの娘アリソン・イーストウッドの初監督作品のヒューマン・ドラマです。日本では劇場未公開のDVDダイレクトとなってしまいましたが、ケヴィン・ベーコン×マーシャ・ゲイ・ハーデンの実力派キャストの競演
☆彡映画鑑賞日記☆彡 | 2009/03/09 4:51 PM
トムとメーガンの二人の間に子供はいなかった。しかしガンに侵されたメーガンに残される時間は少ない。彼女がサンフランシスコへ一人旅を決めた時、機関エンジニアであるトムの運転する特急列車の走る前に自殺するつもりで線路の真ん中に車を停車させた若い女性がいた。
Mooovingな日々 | 2009/04/09 9:34 PM
 

(C) 2017 ブログ JUGEM Some Rights Reserved.