あず沙の映画レビュー・ノート

しばらくお休みしておりましたが、そろそろ再開いたしました
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崖の上のポニョ
2008  日本  国内アニメ  ファミリー (アニメ)  
作品のイメージ:かわいい、ほのぼの
出演:奈良柚莉愛、土井洋輝、山口智子、長嶋一茂、天海祐希、所ジョージ、矢野顕子、吉行和子、奈良岡朋子

子供向けの作品と思いきや、宮崎駿監督作品故にやはり一筋縄では行かない作品。魚の子のポニョは、ある日ひょんなことから海の家を抜け出すが、ゴミの中のガラス瓶に頭が挟まってしまう。海を臨む崖の一軒家に住む少年の宗介は、瓶に入り込んで動けなくなっていたポニョを海岸で助ける。ちょうどその頃、ポニョの家では、ポニョのお父さんのフジモトがポニョのことを心配している。 フジモトはかつて人間だったのだが、人間の生活に嫌になり海で暮らしている。フジモトはポニョをなんとかして連れ戻すのだが、ポニョは宗介に会いたくて仕方がない。そして・・。

 

宮崎アニメの場合、「千ちひ」のように人間の子が異次元に行って戻ってくるというお話がありがちだが、今回は・・。ポニョの本名は、「ブリュンヒルデ」。ブリュンヒルデとは、北欧神話に登場する人物。ワルキューレ(戦死した勇士たちをオーディンの住む天上の宮殿である戦死者の館へと導く半神)の一人で、主神オーディンと知の女神エルダの娘とされている。ポニョの母親である巨大な女神グランマンマーレは、海の化身。デボン紀の生き物たちが、彼女の力によって現れてきたと思われる。魚類の種類や進化の豊かさ、さらに出現する化石の量の多さから、「魚の時代」とも呼ばれているデボン紀。生物の爆発的進化と大量絶滅が起こった時期であり、海から陸へと生物が移動し世界が一気に変革した時代である。というわけで、あの津波や人工衛星の落下が意味するものとは・・。ポニョは、何を象徴しているのか・・。

 

絵本調のパステルカラーによる明るい雰囲気の手描きアニメの絵の美しさは、言うまでもない。ポニョが海面を走るところは、躍動感に満ち溢れているし、その職人魂に拍手を贈りたくなってしまう。デボン紀の生き物たちとポニョの半魚人の顔が、ちょっとグロテスク。また、フジモトの眼の下のクマが、なんとなく微笑ましい。主題歌のメロディーと詩は、鑑賞する前から耳にこびり付いているような感じ(ほんわかしていていい歌なんですが、ちょっと聴き飽きた感がありますね)。

 

一番印象に残ったのは、宗介の母親のリサが、船に乗りなかなか帰って来れない宗介の父親の耕一に送るモールス信号「BAKA BAKA BAKA」・・愛が溢れている言葉。それにしても、宗介が父親や母親を呼び捨てにしているのは、何か意味があるのかしら・・(う〜ん、ちょっと違和感)。また、アンデルセン原作の童話「人魚姫」を基にしているだけに、日本の海辺の町を描きながら、なんとなくヨーロッパ情緒を漂わせている部分が随所に感じられる。日本的な漁村が舞台のようだが、西洋のファンタジーの色取り取りな装飾などは、何か異質な感じが。「宗教色を排除した和風人魚姫」と言われる通りの仕上がりだ。

 

リサとグランマンマーレとの密談が観客に明かされていない点が、意味深。いったい何を話していたのだろうか。ポニョの将来のこと、いやもっと深いことなのかもしれない。そもそも、宮崎アニメの作品は、「何が言いたいのだろうか」と考え始めるとどんどん深みにはまって行くような感覚に陥る。自然と人間の共存、環境問題、愛の力・・それが摩訶不思議なベールに覆われた世界観で観る者を圧倒するような感じ。本作においても、例外ではない。あまり考え過ぎると、ダークな世界に入って行きそうなので、なんとなく鑑賞するのがよいのかもしれない。★3.4

スヌーピーの選挙活動
1972 アメリカ 海外アニメ ファミリー (アニメ)
作品のイメージ:笑える、ほのぼの、癒される、かわいい

ピーナッツの仲間たちが繰り広げるお馴染みのショート・ストーリー・アニメ。1972年にアメリカでTV放映されたもので、今回は選挙がテーマになっている。生徒会長に立候補することを勧められたチャーリー・ブラウンだったが、ルーシーの事前調査でチャーリーはあまり人気がないことがわかる。そして、代わりにライナスが出馬することに。選挙活動をするピーナッツの仲間たち。さてさて、結末は・・といった感じのストーリー。ライナスが果たして選挙公約を守れるのかどうか・・というところが当時の大統領選挙と政府の信頼性を、ちょっぴり風刺しているような。ライナスの「宿題を減らす」という公約が、笑える。

「スヌーピーのいじめっ子と勝負!」が、ボーナス・エピソードとして収録されている。こちらはサマー・スクールに参加したチャーリーが、ビー玉ゲームの名手でもあるいじめっ子とビー玉対決をするというもの。子供の頃が、なんとなく懐かしく思い出される。また、子供のものの見方を尊重したシュルツの描き方が、ほのぼのとした気分にさせてくれる。スヌーピーがチャーリーをビー玉ゲーム対決に向けて特訓するところが、かわいい。スヌーピーって料理もできるし、ホントにマルチなのね。

今回は、ウッドストックがあまり出てこなかったのが残念。また、スヌーピーの出番も、他の作品と比べて少ない。このシリーズの他の作品(「スヌーピーの感謝祭」「スヌーピーのメリークリスマス」や「スヌーピーとかぼちゃ大王」など)を観てから、気が向いたら観てもいいくらいな感じ。そう言えば、圧勝だと思われていたライナスが結局苦戦を強いられるんだけど、なぜ人気を落とすことになったのか・・。この辺りは、他のシリーズ作品を観てからの方がよく理解できるのかも。★2.2
スヌーピーの感謝祭

1973 アメリカ 海外アニメ ファミリー (アニメ)
作品のイメージ:笑える、ほのぼの、癒される、かわいい

スヌーピーとピーナッツの仲間たちはどんな感謝祭を過ごすのかなぁ・・
なんて思って借りてみた。

感謝祭の日におばあちゃんの家に行くはずだったチャーリー・ブラウンに、
いきなりペパーミント・パティから電話が。なぜか、チャーリーの家でみ
んなが集まることに。大急ぎでパーティーの準備をするスヌーピーが超カ
ワイイ!それに、ウッドストックが七面鳥を食べているのには、笑えた(共
食い・・?(笑))。感謝祭には家族や大好きな仲間と集うことが、何よりも
大事なのね。

特典映像には、プリマスを出港したメイフラワー号航海中の人々の苦労や、
新天地に到着してからも食糧危機、寒さ、病気に耐え忍んだ様子がよくわ
かるように説明がある。もちろん、スヌーピーやピーナッツの仲間たちも
その中に。感謝祭を祝う意味を、押し付けがましくなく教えてくれている
のがとってもよい感じ。

声優は大人ではなく、みんな子供たちが務めているらしい・・。だからか
なぁ・・癒される。スヌーピーとウッドストックの友情も、相変わらず微
笑ましい。

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