あず沙の映画レビュー・ノート

しばらくお休みしておりましたが、そろそろ再開いたしました
<< September 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
 
PR
NEW ENTRIES
ブックマーク
あし@
おきてがみ
PROFILE
無料ブログ作成サービス JUGEM
 
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

- | | - | - | - | - |
モール・フランダース 偽りと欲望の航海
1996  イギリス  海外TVドラマ  
作品のイメージ:カッコいい、おしゃれ、スゴイ
出演:アレックス・キングストン、ダニエル・クレイグ、ダイアナ・リグ、ジェームズ・フリート

ダニエル・デフォーの名作を映像化した文芸ドラマ。18世紀のイギリス、市民の貧富の差がますます広がる混乱の時代。獄中で生まれたモール・フランダース(アレックス・キングストン)は、美貌と度胸を武器に、次々と現れる男性の財産を手にして行った。人生の荒波を乗り越えていくモールだったが、初めて心から愛する男ジェイムズ(ダニエル・クレイグ)と出会う。しかし、幸せな時間も束の間、二人は別々の人生を歩むことに・・。激動の時代を生き、最後まで愛し合う二人の運命やいかに・・。

 

四話が収録されているが、ダニエル・クレイグは後半になってようやくご登場(なので、ダニエル目当ての方は後半に乞うご期待!)。せっかく四話に分かれているので一日一話ずつ鑑賞しようと思っていたところ、ストーリーのテンポがすごく速く、どんどんのめり込むように一気に観てしまった。この時代の結婚とは、女性はどれだけお金を持っているかで価値が決まってしまうといった制度。この制度こそが、市民に貧富の差をつくった原因だったように思う。「愛人にはいちばん好きな女性を選ぶが、結婚相手としてはリッチな方がよい」というようなセリフがあるんだけど、お金目当ての結婚ってなんだかなぁ〜というのが正直な感想。

 

そんな状況でもめげないのがモール・フランダース。まずはお金持ちのふりをして男性に近づき、色気と機知で相手を魅了させ自分にメロメロにさせてから結婚をせまる・・これだけ聞くとイヤな女性のように思えるが、作品を観る限りなぜだか応援したくなるような女性。でも、後半は自分の良心のかけらすらなくなってきて、心が麻痺していく様子が、観ていて痛々しい。このまま天涯孤独で絞首刑になるのかと思いきや、ラストは・・。でも、天性魔性の彼女が一人の男性とずっと最後まで幸せに暮らせたのかしら・・なんて皮肉な観方をしてしまう私ってひねくれているのかも。それに、ラストに限らず、ストーリー全体が、ちょっと出来過ぎているような気も。

 

ストーリーに勢いがあり面白いのだが、深い作品ではない。「何かを得る」としたら、勇気づけられるということくらい。どんな境遇でも諦めず自分の切り札で勝負していく強い女性像を見せられたようで、元気をもらった。境遇は全然違うが、「風と共に去りぬ」のヒロイン、スカーレット・オハラを思わせるものがある。自分の運命を呪うこともなく、踏まれても踏まれても「なんとか生きていく」雑草のようなモール・・ある意味、自分の思うままに人生を駆け抜けたという感じもする。

 

「ロビンソン・クルーソー」の原作者と同じとは思えないほど、お色気シーンが満載なので、お子さんと一緒に観ない方が無難。そういう意味では、大人の女性のための夢物語といったところだろうか。もう少し深く掘り下げて、モールの苦悩とそれを跳ね返す強い意志を浮き彫りにするような描き方をすれば、「風と共に去りぬ」のような格調高い文芸ロマンになったのではないかと思われる。時折、モールがカメラ目線で「こんな状況で、あなたならどうします?」と語りかけてくるのが、変わっていて観客を惹き付ける。原題は、“The Fortunes and Misfortunes of Moll Flanders”(モール・フランダースの幸運と不運)で、副題が「燃ゆる運命の炎」となっているのもあるよう。原作は1996年にアメリカでも映画化されているので(ロビン・ライト/モーガン・フリーマン主演「モル・フランダース」)、いずれそちらの作品とも見比べてみたい。★3.3

(C) 2017 ブログ JUGEM Some Rights Reserved.