あず沙の映画レビュー・ノート

しばらくお休みしておりましたが、そろそろ再開いたしました
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リバウンド
評価:
コメント:2011 日本 国内TVドラマ ラブロマンス 出演:相武紗季、速水もこみち、栗山千明、若村麻由美

「ほのぼの」としていて「笑える」ラブコメかと思っていましたが、女同士の友情や両親を想う話なんかも盛り込んであって、ちょっとホロっとさせてくれます。小さな頃からケーキ依存症で、15才で「ブー子」と呼ばれるようになった信子(相武紗季)…そんな彼女がケーキ屋の太一(速水もこみち)と運命の出会いをして、決死のダイエットに取り組んではリバウンドをして…というドラマです。

 

まず、このドラマは、ダイエット中の人はあまり観ない方がよいかも。それはそれは美味しそうなケーキやステキなフレンチのお店のお料理なんかの映像は、目の毒とでもいいましょうか。それに、ドラマとしてはそこそこ面白い展開なのですが、現実では絶対あり得ないところが多すぎなのです。だって、体重70キロ代の人が2週間程で40キロ代になるなんて、不可能でしょ。あり得たとしても、体に良いわけがない。ものを書く仕事をしているのならなおさら、カロリー摂らないと頭が回りませんよ。

 

それに、ダイエットって体重を減らすものじゃなくて、体脂肪をおとすことだと思うんですよね。なので、体重が減っても筋肉や骨量が落ちていたら、全然意味がない。信子の体重計って体重しか測れないものだったみたいだけど、本当にダイエットに取り組むなら体脂肪も測れるものを買うべき、エステとか行くお金があればね。

 

とは言え、人生教訓とまでは言えないけど名言っぽいセリフもいくつかあって、脚本はかなり秀逸だと思いました(「本当の友達は、人生で何人もできるものではない」とか「人間、赤ちゃんのときは一日に300回笑うけど、笑う回数は年をとるとともに激減する」とか)。あと、信子がキレたときに言うセリフって、すごく当たっているというか、よく人を見てるというか、感心するほど。特に、最後に元カレの研作(勝地涼)に言うセリフは、観ていてスッキリしました。

 

信子はみんなに「暑苦しい」と言われていたけど、自分のことより大切な人の幸せを願える女性という意味では、尊敬します。信子の親友の瞳(栗山千明)は、あっさりしていていい感じですね。こういう人と、わたしは合いそう。それにしても、いくら食べても便通が良すぎて全然太らない体質って、羨ましすぎる!男性陣は、なんか「俺についてこい」的な亭主関白な人ばっかりで(信子のお父さんも結局そうなっちゃうし)、少し引いてしまいましたわ。


エンディングは、ちょっと安易ですかね。それに、「トンカツ・ケーキ」って、どう考えても、あまり美味しそうじゃないんですけど…(苦笑)。まあ、これを観た正直な感想は、「わたしは、ケーキ屋のお嫁さんにもトンカツ屋のお嫁さんにもなれないな」ということ。というか、なる能力がないです、はい。それと、ダイエットのモチベーションは、THE ダイエット!』『バラ色の聖戦』の方がモチベーションは上がります。ダイエット中かダイエットを考えている方には、そちらの二つの方がおススメです。でも、相武紗季ちゃんの体当たりの演技は、見事だと思いました。

野田ともうします。シーズン2
評価:
コメント:2011 日本 国内TVドラマ コメディ 出演:江口のりこ、増田有華(AKB48)、池谷のぶえ、杉浦一輝、安藤サクラ、越村友一、小林涼子

シーズン1がなかなか借りれないので、こちらから鑑賞しました。一話5分のショート・コメディが、20話収録されています。埼玉県にある東京平成大学文学部ロシア文学科の大学生野田さん(江口のりこ)のサークル仲間との日常やファミレスでのバイトのワンシーンのカットで、ゆる〜いノリがなんともいい感じなドラマです(「地味女子ドラマ」って言うんですね…納得です)。あと、独特の間のとり方が絶妙です。

 

シリーズごとに20話あるのでどの話がストライクかというのは人それぞれ違うと思いますが、ツボなのは第何話か覚えておいてニヤニヤ笑いながら何回も観て楽しむのもよろしいかと。ちなみにわたしのツボだったのは、「夢をあきらめないで」(第5話)と「捨てられない女」(第10話)。それに、スペシャル番組として放映された『野田とメリークリスマス』(特典映像)…さらに輪をかけたようなほのぼの感が楽しめます。

 

野田さんといつも一緒にいる重松さんがいつも野田さんやみんなのことを観察していてツッコミを心の中でつぶやくのですが、これがまた鋭い!特に、第5話でのツッコミは冴えていたと思います。野田さんのバイト仲間富沢さん(AKB48の増田有華)の彼氏(ストリート・ミュージシャン)の曲がタイトル通りの「夢をあきらめないで」で、この曲一度聴いたら耳にこびりついて離れないのです。重松さんが「一周回っていい曲に思えてきた」とボソッとつぶやき、まさに彼女の言う通りのように思えてきました。ぜひ一度聴いてみてください(出だしは引くと思いますが、なんとか最後まで聴いてあげてください!)。

 

江口のりこさんも、役にドンピシャな感じですね。「江口さんがシーズン1のときよりもさらに『野田化』している」ってメイキング映像で誰か言ってたけど、「江口さん=野田さん」みたいなイメージがわたしの中では完全に出来上がってしまっています。野田さんって、「こんな人いるよね〜」とは言えても一言で説明しづらい…そんなキャラクターです。マイペースで正直で真面目で、本人も「同年代の若者の生活というものが見当がつきません」と断言しているように完全に周囲からは浮いているんだけど、なぜかほんわかしていて空気が和む…野田さんみたいな人と友達になりたいですよ、ほんとに。また、シチュエーションも、「こういう状況ってあるある」というのをうまく再現してくれています。

 

というわけで、引き続きシーズン1も鑑賞しつつ、シーズン3を期待しちゃったりします(でも第20話の展開から、もう終わりなのかしら?)。現場の雰囲気もどんどん良くなってきているようですし、「野田エキス」をまたみんなに振り撒いてくださいね。元気を分けてもらえますので。

死刑基準
評価:
コメント:2011 日本 国内TVドラマ ミステリー・サスペンス 出演:山本耕史、小澤征悦、戸田菜穂、柏原崇

タイトル通りの重いテーマなので、内容がタイトルに負けなきゃいいな…なんて思いながら観た法廷サスペンスです。法学部講師の水戸(山本耕史)と、弁護士の大伴(小澤征悦)、そして検事の麻梨子(戸田菜穂)は、一緒に法を学んだ学友でした。大伴は死刑廃止活動の扇動者として名を知られている中、大伴の妻が何者かによって殺害されてしまいます。そして、大伴は容疑者の死刑を求刑するというストーリーです。

 

死刑の基準って、いったい何なのでしょう。初犯で一人を殺害した場合、余程のことがない限り死刑判決が下ることがないというのが現状です。情状酌量の余地がない場合でも、最高で無期懲役(最近刑が重くなってきてますので)。一方で、被害者遺族側としては何の罪もない家族を殺されたら極刑を訴えるのは当然の心情、と言わざるを得ません(当事者になってみなければわからないことなので、あまり軽々しいことは言えないわけですが…)

 

とは言え、被害者家族のお気持をくんでも、わたしは死刑には反対です。理由は二つ。一つは、自分の犯した罪はやはり生きて償うべき。犯した罪の重さを自覚してその十字架を最後まで背負い天寿を全うすべきだと、そう思っています。それに、死刑を自殺に利用する人もいるかもしれませんから。二つ目は、冤罪の可能性がたとえ1%以下でもある場合。執行された後冤罪だと分かっても、取り返しがつかないからです(「冤罪」についての深い議論はちょっと置いておくとして)。そういう意味では大伴と意見が似ているわけですが、これはあくまで一般人の私見であって、違いは大伴は法にたずさわる人間であるという点です。やはり、法廷に立つ立場の人間がそれを公言するということは、相当大きな意味を持ってきます。

 

死刑の是非はそれぞれの考えがあるわけで、このドラマが死刑基準を決めてくれるわけでもなく、死刑制度についてもう一度考え直すくらいのものでしかありません。しかし、組織の命令に反してまで正義を貫こうとする麻梨子や定年間近の刑事(柄本明)の勇気ある決断には、人が人を裁く上での道徳を考えさせられます。そして、「死刑は被害者遺族の復讐のためのものではない」とう水戸のことばが、この果てしなく重く大きなテーマを一応は締めくくっています(ちょっとこじんまりまとまっちゃった感はありますが)。

 

でも、大伴の妻を殺害した真犯人の気持ち、わからなくはないです。大伴が反感を買う理由は十分にあります。イケメンで脚光を浴びている若手弁護士、そんな弁護士に上から目線で法の理論を説かれると…。小澤征悦さんは、今回の役にピッタリで、なかなかの好演でした。山本耕史さん、戸田菜穂さんや他の俳優さんを見ても、キャスティングが当たっているのではないでしょうか。それにしても、WOWOWさん、いつも大きなテーマにチャレンジなさっていますね。コンプライアンス、お得意分野とお見受けします。そういうドラマ、わたしは好みですけど。

バラ色の聖戦
評価:
コメント:2011 日本 国内TVドラマ 出演:吹石一恵、芦名星、長谷川朝晴、滝沢沙織

二児の母で平凡な専業主婦(真琴・30才)が、夫の浮気をきっかけに、自分のやりたいこと(モデルになること)に挑戦するというお話です。これだけ聞けばベタな女性向けホームドラマかと思われるでしょうが、脚本がよくできているのか原作が秀逸のかそれは検証していませんが、とにかくセリフがメチャクチャ現実感あふれていて面白いのです!

 

はじめに特典映像の制作発表記者会見から観たのですが、主演の吹石一恵さんがモデルとしてランウェイを歩くパフォーマンスもあり、まさに「薔薇をまとった」出で立ちに圧倒されました。そこでは雲の上の人を見上げるような感じでしたが、その後本編が始まったらいきなり三段腹で所帯じみていたので、そのギャップに驚きましたね(役作りがスゴイという意味です)。身なりに構うかどうかで、こうも違ってくるものなんですね〜。いや〜、やっぱり人に見られることが、女性を輝かせるのでしょうか…?

 

真琴(吹石一恵)の夫の敦司(長谷川朝晴)は、「別に、奥さんにきれいになってほしいとは思わない。家でしっかり家事と育児をやってくれるだけでいい。家は仕事をする男にとって安らぎの場所なのだから」みたいな考えの古風な男性。35才なのでそんなに年をとってるわけではないのですが、いるんですよね〜、若いのにこういう考えの人。

 

で、真琴と敦司の会話がどういう風にリアルかと言えば、「わたしは生活費しかもらってなくて自分のものを買うのも遠慮してるのに、あなたは外で好きなことをしてたってわけ?!」(by 真琴:敦司の浮気が発覚したとき)とか「仕事っていうのはな、生活がかかっているもののことを言うんだよ」(by 敦司:自分の仕事と真琴の仕事が重なって、子供たちをどっちがみるかという場面)とか。まあ、どっちの言っていることもわかるので、兼業主婦の永遠のテーマなのかもしれないですね。

 

また、男性の「化粧をしない女性が好き」という言葉を、素直にとらえていいものかどうかわからなくなりました。それは、もしかして独占欲からくるもの?女性は、やはりいつまでもキレイでいるために薔薇をまとうべきでは?男性の仕事は生活がかかっているけど、女性の仕事は生活がかかっていないのだから、自分のやりたいことでも放棄すべきなの?一生籠の中の鳥のように、生きていかないといけないの?

 

というわけで、いろいろと考えさせられるセリフがテンコ盛りなのですが、人生経験豊かなモデル事務所の社長(夏木マリ)の言葉やトップモデルの茜子(滝沢沙織)の決めゼリフが、それにヒントをくれているようで、何度もストライクの球を投げられた感じです。

 

モデルの世界での足の引っ張り合いみたいなやりとりについては、「いくらなんでもここまで言う?」という凄まじいもの。普通は思っていても言わないんじゃないかなと思うようなことまで、面と向かって言っちゃったり。でも、もしかして、モデルの世界はリアルでもこうなのかしら?(何しろ縁がないものでして…)そういう意味でも、6話完結というのは、観やすくてよかったです。あまりドロドロしたのが長引くのも、飽きると思うので。個人的には、カメラマンの要潤さんにもうちょっと登場いただきたかったですね。でも、あまり無理は言えないのかな、なにしろ友情出演のようですし。

神様の女房
評価:
コメント:2011 日本 国内TVドラマ 出演:常盤貴子、筒井道隆、松本利夫(EXILE)、津川雅彦

電気ソケットから身を起こし、松下グループ(現パナソニック)を築いた「経営の神様」と呼ばれる松下幸之助さん(筒井道隆)とその妻むめのさん(常盤貴子)のお話です。裕福な家のお嬢さんとして育ったむめのが、家もない、財産もない、学問もないという幸之助と結婚したわけは、何もないところから夫婦二人で何かを築きあげていくことを望んだところ、そして幸之助の丁寧なお辞儀の仕方に惚れ込んだところでした。

 

正直なところ、いくらなんでもこのタイトルは言い過ぎではと思いましたが(『ゲゲゲの女房』に比べて)、最初から「経営の神様」であったわけではなく、夫婦での苦労もあり紆余曲折があって、そう呼ばれるようになったのだよ…という意味だったのですね、なるほどなるほど。常盤貴子さんを画面で観て、「ああ、お久しぶりです」と思わず言ってしまったのですが、それにしても大阪弁がお上手ですね、確か関西ご出身ではなかったと思うのですが。いつも前向きで、明るく、働き者の大阪の「おくはん」の感じがとっても出てて、好感が持てました。かたや、筒井道隆さんはちょっと、存在感が…。まあ、このお話は女房が主役なんで、それはそれでいいのでしょうが。

 

でも、どうなんでしょう。男性の中には、自分の仕事に奥さんが口を出すのを嫌がる男性もいらっしゃるのではないかなと。まあ、ちょっと弱気で神経質なところもある幸之助にはこんな度量の大きいおくはんがピッタリだったんでしょう。この時代なんで、もちろんお見合い(それも、メチャクチャ変わったお見合い)での結婚だったわけですが、運命の出会いだったわけですね。でも、そんな相性ピッタリの夫婦にも、何度か危機がやってきます。喧嘩をしない夫婦なんてないでしょうし、「なぜこんな人と結婚しちゃったのかしら」なんて思う場合もあるでしょう。それでも、夫婦二人三脚で歩き続けていくという強い絆が、二人の掛け合い漫才のような会話から、窺い知れます。

 

何のひねりもないし、もちろんどんでん返しもないし、想像した通りのドラマだったわけですが、夫婦二人の会話がユーモアたっぷりで本当に夫婦漫才を聞いているようで、楽しめました。三話完結なのでシリーズとしては短いですが、必死でストーリーを追ったという感じもなかったですし、いい感じでまとまっていると思います。今いろんな新しいドラマが出ている中で、NHKドラマの王道という感じで、ちょっと懐かしい雰囲気もありますね。あ、そう言えば、脚本はジェームス三木さんでしたね、納得です。

下流の宴
評価:
コメント:2011 日本 国内TVドラマ 出演:黒木瞳、美波、窪田正孝、渡辺いっけい

原作者林真理子さん炸裂のシニカル・ドラマです。とにかくブランド好きの女性を、冷やかな視線でリアルに描いています。父親が医者だったというプライドを固辞する中流家庭の主婦の由美子(黒木瞳)…そんな由美子を悩ませていたのは、息子の翔のことでした。高校を中退してアルバイト生活を続けていた翔から、同じくフリーターの彼女の珠緒(美波)と同棲すると告げられたのです。また、娘の可奈は可奈で、自分を磨くことよりも、玉の輿を目指して婚活に注力していて…みたいな。

 

言うことだけを聞いていれば嫌な女なんだけど、どこか憎めなくてかわいい面を持った由美子を、黒木瞳さんが絶妙に演じています。一生懸命だけど、幸せの本質がまるでわかっていなくて、そして本人もそのことに気づいていない…そんな人、いますよね。そんな由美子の夫役が渡辺いっけいさん。平凡なサラリーマンでパッとしないけど、いい夫なんですよ。いつもながら、味のある演技です。由美子にバカにされて医大を受験すると言い出す珠緒は、今注目を集めている美波さん。こういう役、ハマってますよね、彼女。そして、由美子の幼なじみで登場するのが、遠藤憲一さん。今回もいい具合に脇を固めています。また由美子の母親役は野際陽子さんですが、「ゴッドマザー」と呼ばれるのがピッタリな腹のすわった度量のあるおばあちゃんです。

 

笑える要素がちょっと入ったシニカル・ドラマですが、世相をよく反映していて、幸せの本質とは何なのかを考えるように自然に導いてくれる展開になっています。「何のために生きているのか」なんて思い詰めたときに観ると、ふと気分をラクにしてくれるような感じです。オバサン向けのドラマじゃないの?という意見もあって、それに反論はできません(オバサンの一員であるわたしとしては)。でもね、若い方が観た場合、翔や珠緒に感情移入できるのかも。上昇志向が強く極端な価値観を持った母親がいた場合、それに対して気持ちが萎えるのか、奮起するのか。あるいは、このバブル世代の母親に対して「時代が違うよ」と思って我が道を行くのか。


しつこいようですが、こういう女性を描かせたら右に出るものはいない林真理子さん。林さんの歯切れのよい文章が、このドラマからも読めるようで、お好きな方にはおススメのドラマです。わたしもその一人なので、この評価をさせていただきますね。

 



WOWOW開局20周年記念番組 連続ドラマW パンドラIII 革命前夜
評価:
コメント:2011 日本 国内TVドラマ ミステリー・サスペンス 出演:江口洋介、内野聖陽、上川隆也、小澤征悦

 このタイトルからも、半端なく豪華なキャストからも、WOWOWさんがかなり力を入れたドラマだということがわかります。ここ(↑)に書いてある江口洋介 さん、内野聖陽さん、上川隆也さんに小澤征悦さんって、みなさん他の作品では主役を張っている俳優さんじゃないですか。エンドロールの名前の順番が気に なったのですが、他もすごい顔ぶれなんで、まあそんなことはどうでもいいですよね。

井上由美子さん脚本の、禁断のパンドラの箱を開けてしまう社会派ドラマシリーズ第三弾なわけですが、サイコなお話好きのわたしとしては、この作品がいちば ん好みです。8話完結のドラマを、一気に観てしまいました。過去に暗い陰のあるニューボストン大学教授の鈴木(江口洋介)は、自殺を防止する画期的な治療 法を編み出します。かたや、彼の大学時代の友人で現内閣官房長官の湯田(内野聖陽)は自殺念慮があり、精神薬の過量摂取を繰り返しているという状態。そし て、それを見かねた湯田の妻恵理子(若村麻由美)は、前の夫である鈴木に連絡をとるのですが…。この三人の関係が、ちょっと複雑ですね。恵理子は、以前鈴 木と結婚していたのですが、離婚して湯田と再婚したわけです。

江口洋介さんは、相変わらずお医者さんの役が似合いますね〜、今回はちょっと気難しい感じの役ですが。内野聖陽さん、鈴木の治療によって変貌する内閣官房 長官の役を見事に演じておられます。怪演の域に達してますね、完全に。上川隆也さん、いつもは正義感あふれる刑事役が多いのですが、今回はひねた感じの刑 事です。こういうニヒルな感じの上川さんも、ステキです(上川さんのファンなので、上川さんの出演されているドラマはほとんど観てます、大河ドラマ以外で すが…)。小澤征悦さんは、イケメンだけどとても危険な香りがする男…鋭い眼光と厳しい表情で挑まれています。

前半の方が盛り上がって後半は失速したという感はありますが、脳科学、日本の将来、革命という巨大なテーマを扱って無限の可能性を見せて、落ち着くべきと ころに着地させたという感じでしょうか。では、パンドラの箱の中に残ったものは、いったい…。まあ、そうくるでしょうね、セーフティ・ゾーンにすべて収束 させるには。

残念ながら、「感動」にはいたりませんでした。最後に感動していたら、文句なく★5です。12話くらいにして、中盤からエンディングにかけてもう少し膨ら みを持たせたらよかったのになあ、なんて勝手に思ってますが、放送上の都合もあるんでしょう、仕方ありません。それでも、みなさんの演技、脚本にゾクゾク しました(芝居がかり過ぎという感想もあるようですが、それはこのシリーズの持ち味としていいんじゃないかと…)。このテーマ、キャストで続編をつくって ほしいと思うのは、わたしだけでしょうか(収束させちゃったから、もうムリかな…)?なせなら、そう、わたしも「日本を愛してます」から!(←意味不明? いや、観たら共感いただけると思いますよ)
人間昆虫記
評価:
コメント:2011 日本 国内TVドラマ 出演:美波、ARATA、久世星佳、鶴見辰吾

WOWOWさんのミッドナイト・ドラマ七話(一話30分)あるものを、DVD前篇・後篇の二枚に分けてリリースしたもの。原作は手塚治虫さんで、人間の果 てしない欲望を風刺したドラマです。風刺と云うと笑える部分もあったりするのですが、このドラマに笑いの要素はありません。

主演の美波さん、最近大活躍ですね〜。『下流の宴』や『運命の人』でも、眩しいくらいに輝いていました。それにしても、彼女、上へ上へと這い上がってい く…そういう役がハマっているんですかね。今回も、まさにそんな役どころ。十村十枝子(美波)の生きるための動物的な生命力が、彼女の昔恋人だった水野 (ARATA)の人間的な温かい心と対比させて描かれています。

これを「切ない」と感じさせる演出もありなのでしょうが、あまりにも究極過ぎてストーリーに引き込まれたり感情移入したりするよりも、一人の女性の生きざ まを淡々と冷やかに見るドラマになっているんですね。ちなみに、WOWOWさんのサイトに「人間診断記」というのがあって自己チェックしてみましたが、私 の場合「カメムシ」だそうです(笑)。

脚本も、かなりしっかりしてます。十枝子のセリフにも人間性を排除した動物性を明示するものが、いくつかあります。「欲しいものは、自分で手に入れますか ら」「どこに行っても、人間人間人間人間…息が詰まりそう」「あたしは人と奪い合うことでしか、人と関係を持てない女なの」。まあ、単純明快、わかりやす いですね。

浮世離れしたストーリーで、ひたすら「憐れな人」を観察するよう求められているわけです。あらかじめそう思っておいた方が、素直に受け入れることができます(あ、十枝子ではなく、ドラマ自体を)。

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