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コメント:2010 アメリカ 洋画 アクション ラブロマンス 出演:トム・クルーズ、キャメロン・ディアス、ピーター・サースガード、ヴィオラ・デイヴィス |
スピード感のある展開で、最後まで観客を飽きさせない工夫がされていたと思います。トムお得意のバイク・シーンもあり、セミプロ級の腕が光っていましたよ、今回も。ザルツブルグの景色がきれいだったし、セビリアでの牛追いのシーン(ロイがジューンをバイクの後ろに乗せて牛と共に疾走する)なんかも盛り込んであり、エンタメ的な要素は満載。スタントを使わないトムのアクションは、いつも通り見応えがありますね。でも、ジャンキーか?って思うほど睡眠薬をお互い注射し合って、起きたら全然違う場所だったりって…て、ちょっとそれはやり過ぎなのでは?!
タイトルの『ナイト&デイ』ですが「昼も夜も」っていう意味かと思っていたら、”Knight and Day”だったんですね(『ダークナイト』からヒントを得たのか?!)。騎士っていうのは、ロイのことなのでしょう。理想の男性を探し求めていたジューンは、白馬に乗った騎士を見つけたっていうことになるんでしょうか?うーん、まあ娯楽作品なんで、それほど深さは求めないことにします。
もうすっかりスパイ役が板についたトムと今回も元気娘のキャメロン、二人とも本領発揮って感じです(年齢的にキツイ部分もややありますが)。トムがイーサンに見えたり、キャメロンがチャ―リーズ・エンジェルに見えたりもしましたが、二人の息もピッタリ合っていて、観ていて気持ちがよかったです。どちらかのファンならかなり満足度は高いと思いますし、とにかく楽しい作品です。
しかし、それ以上のものでもそれ以下のものでもないんですよね(そういう風に感じるのは、自分の年のせいか?)。観ているときは、ドキドキ・ハラハラして難しいことは一切ないのでラクに観れますが、観た後はすぐ忘れちゃいそうな感じです。なにしろ、平凡なヒロインが陰謀に巻き込まれて、逃避行的な作品って多くないですか、ハリウッド映画に?頭をカラッポにしたいときとか、嫌なことがあってスカッとしたいときによいのかもしれませんね。また、細かいところにツッコミを入れてはいけないということを、肝に銘じておく必要があります。
総じて軽い作品ですが、トムとキャメロン共演のこういう作品が一本あってもいいような気はします。それにしても、なぜホール・アンド・オーツの曲「プライベート・アイズ」がいきなり挿入されるのか…(はて?)
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コメント:2010 アメリカ 洋画 ミステリー・サスペンス 出演:アンジェリーナ・ジョリー、ジョニー・デップ、ポール・ベタニー、ティモシー・ダルトン |
まず、観て損はないどころか、満足度はかなり高かったです。そのわけは、単純な理由ですがヴェネチアの景色がすばらしい、100分という短さでうまくまとまっている、セリフが気が利いている、舞踏会のシーンなどもありアンジーのファッションがオシャレ、ストーリー展開自体が古き良き映画を思い出させてくれる小気味のよさがある…などです。
ネタバレ厳禁といっても途中でオチがわかってしまったという方も多いようで、わたしもフランクが列車の中で読んでいた本のタイトルからわかってしまいました。おそらく、この時点でエリーズも気付いたのでしょうね。しかし、このオチがわかっていてその通りだったという薄っぺらさは感じず、むしろ爽快感の中エンディングを迎えます。
全体的に無難な作品なので、劇場で観るのなら初デートなんかに向いてそうですね。あと、ファッションがオシャレなところでは、男性より女性に支持されそうとも言えます。凛としたエリーズ、ちょっとダサくてひょうひょうといているフランク、それにいつもカリカリといら立っているポール・ベタニー演ずる警部が加わり、三人のアンサンブル効果がすばらしいハーモニーを奏でていました。目の肥えた映画ファンの方は物足りなさを感じられるかもしれませんが、逆にこういうヒッチコックなんかがベースになってそうなロマンティック・サスペンスなんかは、今の時代目新しいのではないでしょうか?
それにしても、なぜこの「旅行者」って意味のタイトル?平凡なタイトルと不釣り合いなくらいに映像は豪華だし、洒落ている…もしかして、一見ダサく見えるけれど実は実は…というのをほのめかしているタイトルだったりして。やはり、本当にステキな男性っていうのは、見た目じゃなくてこういう大きさだったりするんでしょうね。エリーズがとことん惚れ込む気持ち、わかります。男性ならこんなことを言われてみたいというセリフもあり、女性ならこんなロマンティックな演出をされてみたいという場面もあり、甘い非現実感に浸ることができます。
華麗な雰囲気の中、三人のステキは俳優さんがガイドしてくれるヴェネチア観光…そんな気分が味わえる粋な一本。メイキング映像も付いていますが、三人の誰かが吹いてしまうというNGシーンとかも含まれていて、和気藹藹とした現場の様子が伝わってきました。お時間に余裕があれば、こちらもおススメです。
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コメント:2010 アメリカ 洋画 ミステリー・サスペンス 出演:エイドリアン・ブロディ、フォレスト・ウィテカー、キャム・ギガンデット、クリフトン・コリンズ・Jr |
スタンフォード大学での心理学の実際に行われた実験がベースになっているお話なのですが、囚人役の人たちに屈辱感を与えて、囚人役と看守役の人たちの人間性がどのように変化するかを監視カメラで撮るという、なんともエグイ実験なのです。この作品を観て、思い出したことがあります。以前研修で、パワハラのロール・プレイングというものに参加したことがあります。二人が組になり、わたしは嫌みなことを言う上司役をさせられて、教科書に書いてある通りに言っただけなのに、相手の部下役の人が本気で怒り出したのです。
この作品の設定においても、報酬のために実験に参加したということはみんな理性の上でわかっていても、やはり人間の感情というのはコントロールできないものというのは、火を見るよりも明らかなのではないでしょうか。屈辱感を与えられたら、「それがどんなに相手を傷つけるものなのか、身をもって知らせてやる〜」と思う気もわかりますし、そんな状況では、自分を誇示したいという人間の支配欲というのは自ずと出てきてしまうものでしょう。
有名大学で、わざわざ実験をするまでもないと思うんのですがね〜。それに、その実験がたとえ心理学史上に残る実験であったとしても、一度映画化すれば十分だと思うんですよね。なので、わざわざリメイクまでした意図がわかりません(オリジナル作品を観てないので、あまり偉そうなことは言えませんが…)
印象に残ったのは、あんなにお互い感情的になっていたにもかかわらず、実験が中止になってみんな迎えのバスに乗り込んだら、実験前と同じ見知らぬ他人になっていたことです。ロール・プレイングの世界から出てしまえば、「あれは報酬のためにやっていたんだ」って案外割り切れるものなんですね…その点はちょっと意外でした。
いつか観なきゃと思っていましたが、オリジナルの作品までは観る気はなくなりました。一度観たら十分ですし、同じ実験がベースになっているわけで、脚色されてはいるとしても本質は変わらないでしょうから。演技については、主役のエイドリアン・ブロディをフォレスト・ウィテカーが喰っていたように感じます。いつ見てもすばらしい演技ですね、今回も感心しました。★2と★3と迷うところですが、フォレスト・ウィテカーの演技が光っていたので、★3ということに。
愛する人を失った喪失感と再生を描いた作品は結構ありますが、この作品ではとりわけ静かにかつ繊細に描かれています。ベッカは、ダニーを轢いた車を運転していた高校生ジェイソンを見つけ、彼と公園で話をするようになります。本来ならば、加害者である彼のことを憎むのでは…と思うのですが、彼も同じように苦しんでいたことを知ります。そして、彼が書いた漫画「うさぎの穴」の「並行宇宙」の概念に、一筋の光を見つけます。それは、この現実の世界とは別の世界がこの宇宙には存在し、その別世界への通り穴が「ラビット・ホール」なんだというお伽話です。ベッカの枯れ果てた心は、一滴一滴のしずくによって潤いを取り戻していく…そんな静かな癒しの過程が、精巧に描写されています。
深い悲しみが淡々とつづられているのではなく、またドラマティックなわけでもありませんが、夜明けのようなほのかな希望を感じさせてくれます。ベッカのお母さんの言葉にも、癒されるものがあります。それが、押し付けがましい励ましの仕方ではなく、涙があふれたときにさりげなくハンカチを差し出してくれるような、そんな優しさが感じられます。母親にとって、子供を失う以上の悲しみはないと思います。そんなどうしようもない悲しみですら、忘れることはできないけど、悲しみの重さが少しずつ軽くなるものなのですね。相当重い作品だろうと覚悟して観たわけですが、特にラストのシーンが印象的で、「観て良かった」というのが正直な感想です。
また、子供を失った母親の悲しみだけに焦点が当てられているのではなく、この作品はそれを手探りで乗り越えようとする一組の夫婦にも焦点が当てられているところが、陳腐さを感じさせない理由なのだと思います。夫婦の絆…それは、複雑で他人にはわかることができず、簡単には切れるものではない、ということも語られているような気がするのです。
ニコール・キッドマンは相変わらずキレイですし、今回では演技力に加えて制作でも実力があることを実証してくれました。そして、この作品を通じて、深い悲しみを抱えている人に救いの手を差しのべてくれている…とまでいうと、言い過ぎでしょうか。でも、それはとても温かく柔らかな手のように感じるのです。
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コメント:2010 アメリカ 洋画 ミステリー・サスペンス ドラマ 出演:ナタリー・ポートマン、ヴァンサン・カッセル、ミラ・クニス、バーバラ・ハーシー |
バレエに心血を注いで生きてきた若手のプリマ候補であるニナ(ナタリー・ポートマン)は、次の演目「白鳥の湖」で、可憐で繊細な白鳥と自由奔放にして邪悪な黒鳥の両方を演じる白鳥の女王役に、抜擢されます(そもそも白鳥と黒鳥のパートって同じ人が演じるのは、かなり大変では…と思うのですが)。完璧主義で神経質なニナは白鳥の役にはハマっていますが、黒鳥のパートがなかなかうまく演じられない…そんな中、 ライバルのリリー(ミラ・クニス)が監督の指示で、黒鳥を官能的かつ大胆にみんなの前で踊ってみせます。やがて、ニナはリリーが自分の役を奪おうとしているのではないと思い…みたいな展開です。
この作品の脚本が仕上がるよりも前に、ニナ役はナタリーに、ということになっていたようです。優等生のナタリーが白鳥のニナとかぶるところからも、ナタリーのための作品になっている感じがしますね。彼女のこの作品への思い入れも、かなり大きかったよう。とにかく、オスカーにふさわしい努力と演技!まあ、ファンじゃない方も、この点はどうぞ認めてください(なんだか押し付けがましいようですが)。もともとアミダラ姫の役のイメージからは脱却していたものの、この作品で彼女の演技の幅の広さがさらに証明された、と言ってもいいですよね。
ニナを心理的に追い詰めていくもの…それはもともとの彼女の神経の細さもあるのかもしれませんが、プリマのプレッシャーの他に母親との関係にもかかわっているのでしょう(母親もおそらく、昔はバレリーナだったか目指していたのでしょうね)。ニナの行動(細部にわたる)、クセ、表情を通して、彼女の精神が崩壊 していく過程が、キッチリと描かれています。何かを究めることと狂気というのは、紙一重なんだなと、そんなことまで感じさせてくれるかなりサイコ色の濃い作品でした。
というわけで、個人的には大満足だったわけですが、黒鳥になったときのメイクがデーモン小暮に見えたのはわたしだけでしょうか。
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