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評価:
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2005 デンマーク 洋画 ミステリー・サスペンス ドラマ
作品のイメージ:切ない、ためになる
出演:ブライス・ダラス・ハワード、ウィレム・デフォー、ダニー・グローバー、クロエ・セヴィニー、イザーク・ド・バンコレ、ローレン・バコール
テーマは違うものの
「ドッグヴィル」の続編で、ヒロインも同じグレース
(なので、
「ドッグヴィル」を観てからの方が入っていきやすいと
思います)。但し、
「ドッグヴィル」との違いは、ヒロインの感情がかなり
細やかに描かれていること。また、自己主張する意思の強いグレースにな
ったという印象を受けるのは、ニコール・キッドマンがブライス・ダラス・
ハワードになったせいだけではない。なぜなら、黒人社会をマンダレイが
象徴していて、グレースは奴隷制度の解放から自由を与え民主主義社会へ
導く孤独な白人のリーダーを象徴しているから。
奴隷制度からの解放、自由、民主主義(多数決や正義の裁き)・・白人社
会が黒人社会を受け入れることができるのか・・テーマは相変わらず、か
なり深い。砂嵐に象徴される「共通の敵」を見出すことにより、お互い共
同体になろうとするのだが、果たして心を開いてお互いを信用することは
できるのか・・?そして、マンダレイの「ママの法律」とは・・?
それにしても、エンドロールの写真は衝撃的。睡魔との闘いの2時間の後
のエンドロールで目が醒めた感じ。エンドロールで流れる音楽は、
「ドッ
グヴィル」と同じような気がしたのだが。あと、この作品の場合は、南部
の綺麗な景色を背景にしてほしかった(ちなみに、
「ドッグヴィル」の場
合は、どこにでもある「村」ということで、あのセットに意味はあると思
うが)。
作品全体のインパクトは、
「ドッグヴィル」程ではない。